70年代日本SFベスト集成3: 1973年度版 (ちくま文庫 つ 19-5)
70年代日本SFベスト集成3: 1973年度版 (ちくま文庫 つ 19-5) / 感想・レビュー
ぜんこう
相変わらずどれも面白い。小松左京さんは「日本沈没」をしゅっぱんした年に、筒井康隆風(?)のものを書いてたとは。 漫画も相変わらず視覚に訴えて怖かった。 眉村卓「通りすぎた奴」、半村良「村人」、筒井康隆「熊の木本線」、矢野徹「さまよえる騎士団の伝説」が特に面白かった。
2015/06/29
くさてる
「SF」と銘打たれてはいるものの、ジャンルの幅は軽く飛び越えている印象を受けた。マンガやエッセイも収録されていてバラエティ豊かな一冊だけに、バラつきも感じた。個人的に良かったのは、閉塞的な未来世界のイメージがどこまでも広がるような眉村卓「通り過ぎた奴」、好きなものへの熱情がしっかり伝わってくる野田昌弘「コレクター無惨!」、土俗的ファンタジーとして後味が良い半村良「村人」、完全に内容を理解したとは言い難いのだけど、紡ぎだされる幻想的な雰囲気にとても惹かれた荒巻義雄「時の葦舟」などです。
2015/06/04
まんだよつお
田中光二の『最後の狩猟(サファリ)』。この人の文章の特徴は、表題のように日本語の単語に英語のルビをつけること。カッコよかった。影響を受けて、当時は自分の文章でもよく真似をしたっけ。
2021/11/09
F4ふぁんとむ
73年は「日本沈没」と「産霊山秘録」が出たということで、ある意味日本SFの黄金期。その割に短編は小粒なものが多いという印象。とはいえ、「さまよえる騎士団の伝説」や「時の葦舟」などは最高なのだが。
2019/06/20
やす
73年にもなると内容がこなれてきてよく知ったSF調になってきたような気がする一方、選者の腕の見せ所であろうSFの周辺からの収録がいくつかある。北杜夫はキングコング映画にまつわる思い出話。完全にSFじゃない随筆。星新一は星さんらしいショートSF。氏にしてはかなりの長編ショートだけど間違いなく面白い。河野典生さんちょっと意味不明。眉村卓さん。司政官シリーズではないけど期待される人間の葛藤は同じテーマかも。増村博、誰のことかと思ったがアタゴウル物語のますむらさん。処女作からブレテない作家もめずらしい。
2015/10/03
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