増補 書藪巡歴 (ちくま文庫 は 37-4)
増補 書藪巡歴 (ちくま文庫 は 37-4) / 感想・レビュー
あかつや
リンボウ先生のエッセイ。専門の書誌学についてわかりやすく解説したり、全く無名の同人誌を取り上げてみたり、過ぎ去りし青春の日々を回想したり、どのエピソードもとても面白かった。特にいいのがいくつかある故人へ向けての惜別の文章。お世話になった恩師の、学者としての功績を讃えつつ、その深い人間味を語っていく。どなたも存じ上げないが、それでも読んでいるとその個性的な人柄がよく伝わってくるようで、その死と志半ばで果たされなかった仕事について、著者といっしょになって惜しむ気持ちがわきあがってきて、胸にせまるものがある。
2018/11/25
fumi
著者の研究半生を軸に、今や「白玉楼中の人」となった恩師らを回想する『書藪巡歴』と、より具体的に書誌学それ自体の面白さに迫った『書誌学の回廊(抄)』を収録。前者はその章末の「語釈」にまで著者の色が濃く表れており、かれの学問へのなみならぬ愛着、と簡単に言うのも憚られるような強い結びつきが窺われた。また、漢語和語を自在に操る豊かな語彙にも驚き、自身の浅学さをまざまざ見る思いがした。印刷手法と商業規模の変遷、コレクター心をくすぐる写本のような刊本「嵯峨本」など、本邦近世の豊かな出版文化に触れられたのも良かった。
2019/04/25
オカピー
「書誌学」についての本。「本」とお付き合いしていると、様々な場面に遭遇します。古本屋さんにも行きますし、ブックオフ、新刊書店、ブックフェスみたいなイベントにも行きます。色々な本と出合う中、「ピクっと来たらすぐに買うこと」でしょうか。あの時買っておけばよかったと後悔のないようにしようと思います。超高価であれば、迷いますが・・・・サイン本や、中が抜けていた本、落書き、書き込み、線引き、マーカー、ページ折り込み。色んな読み方もあるものだなと思います。巡り巡ってわたしの所に来た本。出会いを大切にしようと思います。
2023/03/15
晴
『書誌学の回廊』の姉妹書。リンボウ先生の恩師との思い出話や今まで出会った書物の話が中心で書誌学用語も分かりやすく説明してくださって読んでいて楽しくなった1冊でした。
2016/08/28
ぶん
大学のときもっと真面目に書誌学学んどけばよかったなと思わされる一冊。途方もない世界だけど、楽しそうと思わせてくれる林さんの筆力。
2015/07/28
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