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独特老人 (ちくま文庫 こ 49-1)

独特老人 (ちくま文庫 こ 49-1)

独特老人 (ちくま文庫 こ 49-1)

作家
後藤繁雄
出版社
筑摩書房
発売日
2015-01-07
ISBN
9784480432346
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独特老人 (ちくま文庫 こ 49-1) / 感想・レビュー

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ばんだねいっぺい

 文化的重要人物のインタビューの盛り合わせ。中村真一郎の「治療で電気ショックかけて半年の記憶飛んだ」も衝撃だったが、「家畜人ヤプー」の沼正三が強烈。独自の虫眼鏡から来る考察には啓蒙されまくった。辞書を言葉をピンに刺して収集するもの、昆虫採集と同じだには、うわーっと思った。

2019/09/22

keroppi

伊福部昭、山田風太郎、淀川長治、亀倉雄策、水木しげる、堀田善衛、宮川一夫、等々、名前を連ねるだけでも震えがきそうな方々の晩年のインタビュー集。「独特老人」とは「独り」で「特別」な人。人生と世界を見据えたような顔の写真と共に語られる言葉の一つ一つが重い。圧巻は、「家畜人ヤプー」沼正三の変態ぶり。「独りであれ、特別であれ‼︎」インタビュアー後藤繁雄の後書きが、胸に刺さる。時間を置いて読み返したい本だ。

2017/01/24

すーぱーじゅげむ

埴谷雄高「僕はね、基本的にはですね、人間として生まれたことが不満なんですよ」スーパー老人へのインタビュー集です。昔話や自慢話ではなく、すごく新しいことを言っていて興奮します。ここまでくると気負わずに逸脱をできるんでしょうか。?がつくような言葉の連なりが意味になってゆくのがすごいです。着地点が見えなくても掘り下げるインタビュアーの勇気も素晴らしいです。あと話し方のクセの再現度。淀川長春ってこういう話し方だったなぁ、と懐かしくなりました。

2023/01/16

xtc1961ymo

凄い傑作、久し振りに魂を揺さぶられた。山本夏彦さんは読書とは死んだ人と話す事だと言いましたが。この破格な老人達の聞き書きこそ驚きの発言に満ちている。全28名中存命はもはや4名のみ。やっぱり心のきれいな人は、災いが向こうから避けてくれるね。(杉浦茂)ただ漫然と生きる事が幸せかもわからんですよ。何かを為さねばならんという生き方はつまらん事でしょう。(水木しげる)だから、作り物だってよく言われるけど、小説は作り物じゃないとダメですよ。(中村真一郎)そして「家畜人ヤプー」の作者沼正三さんのここでは書けない性生活等

2015/01/24

Bartleby

友人から借りて読んで、読後話が尽きなかった。本書でインタビューを受けている老人たち、過激すぎて最高だった。「今だったらポリコレ的にダメですよ」「いや昔からダメなんですってば」的なやりとりを最近よく耳にするが、そのたびに心から嫌悪感をもよおす(もちろん“正論”ではあるが)。そうすると本書の老人たちはみんなダメということになる。本当にそうだろうか。ではポリコレ的にアウトな行動、発言だけ修正すればOKだろうか。そうするとたぶん、本書は薄っぺらい本になるな。そしてなにも得るところはなくなる。

2023/01/07

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