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万骨伝: 饅頭本で読むあの人この人 (ちくま文庫 て 10-4)

万骨伝: 饅頭本で読むあの人この人 (ちくま文庫 て 10-4)

万骨伝: 饅頭本で読むあの人この人 (ちくま文庫 て 10-4)

作家
出久根達郎
出版社
筑摩書房
発売日
2015-09-09
ISBN
9784480432971
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万骨伝: 饅頭本で読むあの人この人 (ちくま文庫 て 10-4) / 感想・レビュー

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ヨーイチ

著者の出久根達郎は作家だが古本屋でもある。小生はこれが初読。業界のスラングって独特の渋みや凄味がある事があって、饅頭本と云う言葉もそんな一例。「葬式饅頭の様に縁者に配布される故人を偲ぶ出版物」を古本業界ではこう呼ぶらしい。非売品ながら編集、執筆者は思い入れがある為、希少で良質な本が多いらしい。それで題名が万骨伝。両方に死のイメージが有る。あの人この人で短めの評伝が50人分。名前だけうろ覚えの人が10人くらい、知っているのは二人だけだった。万骨ってそういうことなのだろう。それでも面白く読める。渋味だけど。

2015/10/01

たくのみ

葬式の時に配られる故人の自伝「饅頭本」。その人の生き方、価値観、思い入れがたっぷり入った本を読むのが、出久根さんの趣味という。腕を斬られて口で絵をかく芸者・妻吉。浮名を流しまくる・つや栄。そんな人いたの?という人物から有名どころまで。作家でなく教育者として生きた下村湖人、ラジオのおばさんとして『子供の新聞』を担当した花アンの村岡花子、モンローの指圧をした浪越徳次郎のエピソードが面白かった。

2015/10/04

sasha

故人を偲んで出された追悼本や自伝を元に、歴史に埋もれた50人の人生を追う。大正時代から昭和初期にかけて活躍(?)した説教強盗・妻木松吉って平成元年まで存命だったのかっ!こういうエッセイを読むと、著者の本業である古本屋さんの本領発揮って感じだ。私家版や非売品の追悼本でも貴重な歴史的資料になるんだな。著名人が本名で追悼文を寄せていたりすると、全集にも収録されていないらしい。古本屋さんって博識で勉強家、おまけに好奇心旺盛でないと務まらないのかも。

2018/04/26

Endo Takafumi

目から鱗です。様々な偉人、知識人、奇人の知られざる生態と日本の歴史が面白く読めました。同郷にこんなに面白いことを研究していた人がいたとはとても嬉しいことです。エイプリルフールを日本で流行らせたのがあの人たちのだったとか、錦織選手より世界ランキング上位になった日本人選手の悲劇とか、本当に面白かった。有名人でなくても語り部は必要では?と思える一冊。

2017/02/03

みや

サブタイトルにある「饅頭本」とは、古書業界用語で追悼本のこと。本書は、古書店主でもある著者が、故人の有名・無名に拘らず、時に本当の「饅頭本」を追跡し、様々なエピソードを紹介する人物伝。書き手の立ち位置が客観的なので、追慕のあまり必要以上に持ち上げてしまうこともなく、パズルを組み立てるかのように淡々と功績を追う。そのために外連味のない話が多いが、資料の考証に基づく記述からは、故人の「生きた証」が鮮やかに浮かび上がってくる。

2019/03/24

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