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水鏡綺譚 (ちくま文庫)

水鏡綺譚 (ちくま文庫)

水鏡綺譚 (ちくま文庫)

作家
近藤ようこ
出版社
筑摩書房
発売日
2015-11-11
ISBN
9784480433138
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水鏡綺譚 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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Vakira

近藤ようこさん 7冊目。ようこさんの描く絵とストーリー展開が幻の漫画雑誌ガロ系でMy壺。ちょっとようこさんについて調べてみたらなんと!あの高橋留美子さんと同級生で高校時代漫研を設立。で一緒に活動。副部長はようこさんが務めたそうな。この本の推薦文、留美子さんが書いてます。ガロ出の南伸坊さんが本の解説と装丁デザインやってます。ジャンルは少年マンガなのでしょう。戦国時代のちょっと前ぐらいの時代、みなしごで修行中のワタルと記憶をなくした鏡子の鏡子の家を探す旅。途中で出会う村や祠、人の業やらもののけの魔と戦い行く

2020/12/23

傘緑

著者本人が自分の仕事の中で一番好きという作品。狼と行者に育てられた少年と魂と記憶を失くした少女のロード・ストーリー。「各話ごとに私が好きなもの、その時々に興味をひかれたものをモチーフにしました…そんな風に三年間楽しく自分勝手に描いてましたが…打ち切りになりました(あとがき)」そのまま自由に思う存分に描かせていたら…と思う。「水鏡綺譚は、長年忘れがたい未完の物語であった。旅が終わった今、この物語は愛しい泉の如く、心にあり続ける(高橋留美子)」完結に寄せた最後の二編の絵の変遷に、12年という歳月の流れを感じる

2017/02/28

なつ

舞台は戦国時代。狼と行者に育てられたワタルと野盗にさらわれ、記憶を失った鏡子。2人の旅路の物語。旅先で出会う人間や妖怪たち。彼らに巣食う闇、業の深さ。そこに行き着くまでの経緯やその悲哀はとても息苦しい。だからこそキャラクターが生き生きして見えるのかも。「水の底の紅」がラストも含めてとても好き。絶望からの希望が強く感じられるのです。推薦文は高橋留美子先生。いろんな意味で納得ですね。

2019/10/13

マッピー

親に捨てられ狼に育てられた青年・ワタルと、記憶と魂を失った少女・鏡子の旅。途中いろんな妖と出会い、それがワタルを成長させていくので、冒険ものとも、成長譚とも、バディ物とも読めるが、展開の早いエンタメではなく、じんわりじわじわ沁みてくる。人のもつ業に何度も苦しませられながら、それでも立派な人間になりたいと修行を続けるワタル。鏡子の思いに気づき、離れがたくなる前に早く家に帰してやらなくてはと思う彼の涙は、鏡子の魂と同じくらい美しい。

2022/01/23

やまかぶ

本屋にて、表紙の柔らかく素朴な絵柄に惹かれ購入。初見の作家さんです。戦国時代、狼と行者に育てられ、立派な人間になるために修行の旅を続けるワタルと、記憶を亡くした少女、鏡子(かがみこ)の、ボーイ・ミーツ・ガール的な物語。日本の昔話に材を得た挿話が多く見られ、深く心に浸透します。当時は12話で打ち切りとなったようですが、その12話目が得も言われぬ静謐さと叙情性に満ちていて印象深いです。しかしながら、完全版としてちゃんと結末を残したことは作家の意志、そしていかにこの作品を愛していたかが察せられます。

2016/02/14

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