夕陽妄語2 1992-2000 (ちくま文庫 か 51-5)
夕陽妄語2 1992-2000 (ちくま文庫 か 51-5) / 感想・レビュー
はっせー
読みやすかった! 加藤周一さんが新聞で書いていたものをまとめたものであった 文化 政治 芸術などかなり幅広く触れられていた!その知識量に感服した まだ2001年から2008年の方は読んでないのでこれから読んでみようと思った!自分が生まれてない時代について知ることはいまを生きることに大事だということを改めて理解することが出来た!
2019/03/10
風に吹かれて
朝日新聞掲載。この巻は20世紀末に向かう8年間のコラムを収める。この頃は、冷戦が収束しアメリカ一極化が進む中、アメリカの一州のように日本のアメリカ追従が進み、国家機密法や憲法改正の議論が声高になり、阪神大震災、オウム教団事件などがあった。国外の滞在も多い氏の筆は、内向きになり始めている日本を、日本を愛するがゆえに、ときに辛辣に、ときに氏特有の滑稽味を漂わせながら決して悲観することなく多様な観点から論評する。氏の文章は考え方の筋道の立て方を教えてくれるとともに、古今東西の歴史に関心を持たせてくれる。
2016/08/13
やま
昔の人は、いろんなことをよく知っていてコラムを書いているが、加藤周一もその一人。政治、国際情勢、経済から演劇、それも新劇、歌舞伎、狂言から外国の劇まで、それから音楽、本、絵(若冲の没後200年展など)あまりの幅広さに驚愕を超えて呆れてしまう。後書きにあったが、今、加藤周一が生きていたら、この状況を何と書いただろうか。
2017/10/22
そうげん(sougen)
1995年の震災後の筆になる章も、書かれてある内容以上に、むしろ書かれることはなくとも、おそらく人が共通して抱いているであろうひそやかな思いという物まで、うっすらと感じとられました。時代や環境や社会情勢をすっとばしても、おそらくメンタリティの面で大勢の傾向に劇的な変化のない場合、過去の事例から学び取れるであろう事柄はいくらでもあると思います。落着いて列に並ぶことのできるのはなぜか。長所であると同時に短所でもある。どのような判断を経ようと、そのものがひとつの価値の表れであることを妨げはしない。
2018/06/23
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