中島らも短篇小説コレクション: 美しい手 (ちくま文庫 な 48-2)
中島らも短篇小説コレクション: 美しい手 (ちくま文庫 な 48-2) / 感想・レビュー
まーちゃん
リリカルで、幻想的で、切なくて。ぶっ飛んでて、悪ふざけが過ぎて。下ネタで、バカバカしくて。そしてかなしくて。柔らかく純粋で傷つきやすいものを恥じ、持て余すかのように、偽悪に走り、エログロでふざけ、怖がらせ…男の子だ。/「DECO-CHIN」の、曲の描写にゾクゾクした。下衆な音楽雑誌の編集者と共に酩酊し、らもさんの頭の中を流れる音楽を聴きたいと思った。そして、やられたと思った。これはきっと、タイトルから思いついたらもさん一流の悪ふざけだ。そんな気がしてならない。やられた。でも笑って許してあげようと思った。
2016/07/07
HANA
笑い、恐怖、ロックそして抒情。冒頭の未発表作品「美しい手」「“青”を売るお店」は散文詩を読んでいるみたい。特に後者の信州の空を表した部分とかは思わず涙ぐまされるよう。続いて名作「日の出通り商店街いきいきデー」で思いっきりその世界を堪能できる。恐怖小説は意外と未読だったが遺作の「DECO‐CHIN」始め、これも名作揃い。「EIGHT~」と「コルトナの亡霊」は虚構の恐怖を描いた小説としてはまさに一級品。最後のお笑いも既読ながら大いに楽しめる。多面体のような中島らもの世界を、様々な角度から堪能できる一冊でした。
2016/06/08
GAKU
ホラー、落語、ユーモア、抒情的と色々なジャンルの短篇が。改めて中島らもさんの多才さを実感。やはり大好きな作家さんです。
2017/12/31
キジネコ
この人も惜しいと云うて見ても戻らん彼方、詮無いけども面白い。柔らかい視線と温かい視野を感じます。器用か、どうか?はどうやろ…編と解説の御二人はらもさんを天才だと手放しで褒めます。身近の方達の評なので間違いないでしょうが私には違う種類の、頗る付きの巧さゆえに逆に不器用無骨の本性と多感な少年を同時に感じます。「笑うて貰わんと切ないしなあ」寂しげな作家の俯く顔が見える様な気がします。性への憧れと目覚めと戸惑いを活写する「黄色いセロファン」が一番。確か映画にもなった「寝ずの番」もええ。デコチンも何やら考えさせる。
2016/10/14
山田太郎
カテゴリー分けが難しい作家というか独自路線というか。頭いい人は違うな。灘高頭いいだけでなく、なんかとんでもなさというかどんな高校なんだろうなと。クロマティ高校と並んで興味ある高校というかこれは違うが。日曜というのに仕事で疲れて休憩中。目途ついたから帰ろうかと。甘いもの食べたいなと。お好み焼き食べたいなと思った。
2019/12/15
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