ルビコン・ビーチ (ちくま文庫 え 18-2)
ルビコン・ビーチ (ちくま文庫 え 18-2) / 感想・レビュー
sssakura
訳がわからないけれど面白くて、エリクソンの妄想にどっぷりハマってしまいました。キャサリンのように目が開いたままクルクル回っているような感じ。何も解決されないことは始めからわかっているけれど、先が気になって仕方ない。楽しい読書でした。
2016/12/18
南雲吾朗
スティーヴ・エリクソン初読み。第一部からエリクソンの世界に引き込まれて行った。私は普段から、平行して何冊か他の作家の小説を読む癖があるのだが、エリクソンの小説を読んでいると、頭の切り替えが出来ず、他の作家の小説に迄影響が出てしまって、結果的に全ての小説の読む時間が凄く遅くなってしまった。凄くクセになる世界観だ。読んでる間は苦痛だったのに読後の感覚が忘れられず、中毒になりそう…。
2017/11/15
踊る猫
高校時代に本書と出会ったことは幸か不幸か……何度目かになる今回の再読もエリクソンの生々しいグルーヴを堪能出来て幸福に感じられた。初期作品ならではのまだまだ粗削りなところが良い意味で言えば過激に感じられ、悪く言えばやや生煮えに感じられるのだけれど、結局私はこの島田氏に依る訳文で煌めくエリクソンに戻ってしまうのだろう。全編を満たす「水」の要素が様々なヴィジョンを脳裏に生み出し、その他にもこちらを眩惑させる光景がデヴィッド・リンチの作品のように揺らめく。今回の読書で島田氏の指摘する「他者」とはなにかに思い至った
2016/11/23
ネムル
アメリカが、あるいは文明が死に瀕したいま、この作品好きで文庫復刊)した筑摩は英断だ。後の『Xのアーチ』のようにグレイト・ドヤ・アメリカン・ノベルせずに、荒削りのまま時空と描写が歪んでいるので、安心してトリップ出来る。良かった。
2018/03/19
春ドーナツ
久しぶりにエリクソンさんの「何のこっちゃ」を味わおうと思う。90年代に初めて読んだ「黒い時計の旅」(白水社)の衝撃は未だに忘れてはいない。四半世紀。いろんな「何のこっちゃ」にこの身をさらして来た。余程のことがない限り「そうかそうか」と読み進めることができるはずだ。という訳でカフカズラビリンスを彷徨う。どこかに「やみくろ」が潜んでいそうだ。唐突に昔読んだ古川日出男さんの小説も「こんな感じだったな」という思いが脳裏をよぎる。読み終えた時、頭の中が熱く錯綜している。それは私が求めていたものだ。満足。
2017/12/02
感想・レビューをもっと見る