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ありきたりの狂気の物語 (ちくま文庫 ふ 50-3)

ありきたりの狂気の物語 (ちくま文庫 ふ 50-3)

ありきたりの狂気の物語 (ちくま文庫 ふ 50-3)

作家
チャールズ・ブコウスキー
青野 聰
出版社
筑摩書房
発売日
2017-09-06
ISBN
9784480434609
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ありきたりの狂気の物語 (ちくま文庫 ふ 50-3) / 感想・レビュー

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ケイ

「競馬に行くならそろそろだが、どういうわけかもうどうでもよくなってしまった。私は足もとに捨てた煙草を見つめた。赤い光が見つめ返した。雨がその火を消した。私はバーを探して歩き出した」(女たちの雨) 180cm100㌔の呑んだくれ。飲んで吐いて、セックスして、競馬に行く。この男がそんなことについて書く短編はどれも、美しい詩から出来ている。世界の名作はどんどん読ませるが、汚い言葉や普通の単語が集まる美しい詩で成る文章は、味わって噛みしめて胸にそっとしまいたくなるから、時に本を閉じてふぅっと息をする(続く)

2019/06/28

優希

面白かったです。いい意味で人間臭い短編集でした。全てに見捨てられ、空っぽの毎日に見せる狂った瞬間が見せる輝きは哀しみに満ちているように思えます。この異色にハマりました。

2023/10/25

hanchyan@だから お早うの朝はくる

♪女とみた〜ら〜すぐに誘い出す〜♪ →んで、逮捕。服役の思い出を語り「また戻ってこよう」と結ぶ。朝がくれば吐き、昼は日雇労働でクタクタ、夜がくればまた飲む。休日は競馬。社会を厭い、同時代の名のある作家や詩人を、4レターワード乱れ打ちで極めて口汚く罵り(ヘミングウェイは除く)、稀に舞い込む文筆家としての破格のオファーも酒でフイにする。んで、朝吐く。……と、まあ、本書に収められた34の掌編・短編、語り手はどれもそんな感じ。何もせず、何処へも行かない。え。そんな本読んでどうなのって?ものっすごい面白かった〜!!

2021/06/11

たまきら

備忘録)ブコウスキーを読んでいると、人間の一線って何だろうと思う。越えるとやばい線。でも、結構越えて行っても意外と問題無い線。そして、越すことで犯罪者となる線。犯罪者でも戻ってこれる線。そんな自分の思いも、この男の小汚くもまっすぐな言葉は越えていくんだよなあ。

2020/12/11

sabosashi

 ふたつのキーワードは反骨と良識、という相矛盾する二項だろうか。社会はいかなるときも個人を呑み込もうとする。目覚めた個人はそれにあがらわなければならないとされる。だがそれはえてして自堕落へと傾く怖れもありえる。すべてはその兼ね合いなのか。良識とはすべからく操作された良識なのか。他の作品は気に入ったのだがこの作品にはあまり魅せられなかった、残念ながら。詩作品のほうがより純粋なのだろうか。もちろん全否定するわけではなく、味のあるところをみせてくれはする。でもわたしの欲する水準とはやや異なっていたような気がする

2024/09/03

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