あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)
あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
のんちゃん
帯にある通り昭和に書かれたイヤミス。昭和の半ば頃が舞台の作品集。ミステリーではなくサスペンスものも所収されている。まぁ、面白かったのだが、時代のせいか、その時代の男性作家さんだからかなのか、やっぱり女性の描き方が、う〜ん、そう見るか〜という感じで、隔世の感があった。全然関係ないのだがこの作品を通して、この時代から日本も精神面ではずいぶん進化したのだなぁと感じた。でも当時のイヤミス、それはそれで、面白かったです。
2021/06/08
Kouro-hou
結城昌治はいろんなジャンルで活躍した希代のアベレージヒッターという印象があるのですが、さすがに亡くなられて20年が経ち、知名度も薄れてきたのかなぁという矢先に新編集の新刊が出るというのはありがたい事です。ミステリ、サスペンス、ブラックユーモア中心の短篇集で、平和な日常からふとした隙に非日常に暗転して冷徹なまでに最後で突き放す昭和のイヤミスぶりがあるあるな感じで良い。本当に結末あんぐりなイヤな話の勢ぞろいなんですが、ネタはアレでも品が良いというか独特のセンスの良さが感じられるのが特徴なのかも。国鉄懐かしすw
2017/12/19
かめりあうさぎ
初読み作家さんの短編集。面白かったです。現代でいうところのイヤミスかな。昭和を舞台にした情念渦巻くドロドロのミステリです。決まった探偵は出てこず各話が独立しており、内容は日常の中で起こる事件を描いたモノばかりで、自分も気づかないうちにその暗い穴に落ちるかもしれない、という恐ろしさがありました。
2018/03/08
マムみかん(*感想記入少なめです*)
昭和のイヤミス、昭和のサスペンス劇場(笑)。 『孤独なカラス』は他のアンソロジーで既読でしたが、この短篇集の中でも異色で、何とも言えない怖さが凄い! 書かれた時代のせいか、女性が理不尽な目に遭うものが多いかな。 表題作、『惨事』『老後』『みにくいアヒル』…現代の女性なら耐えられないよね☆
2017/12/13
タツ フカガワ
全13話の短編集。わいせつ図画販売で逮捕された男の証拠品のなかに笹田検事の妻の姿が。その真相を調べていくと……という表題作も面白いが、異常犯罪を繰り返す人物像がぞっとする「孤独なカラス」やサイコスリラーのような「老後」が印象に残りました。なにしろ多彩な趣向の作品に驚きました。1960年代の作品ですが、古さはまったくありませんでした。
2020/03/23
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