飛田ホテル (ちくま文庫)
飛田ホテル (ちくま文庫) / 感想・レビュー
Shoji
黒岩重吾の『背徳のメス』を読んで以来、この『飛田ホテル』をずっと探していた。今回、筑摩書房が復刻して発行するとのことで、飛びついて買った。黒岩重吾の書く、どうしようもない街に生きる、どうしようもない人々の愛憎悪渦巻くどん底の人間模様が大好きだ。しかも舞台は昭和と言う時代の西成。今でもなお、日本で最も生活保護受給率の高い街。綺麗な物語になる筈がない。じめじめした重たい物語、もちろん大好きだ。
2018/03/04
カブ
舞台は昭和の大阪。平成の時代も間もなく終わろうとしている現代、昭和は遠い昔のようで懐かしい。まるで昔のドラマの再放送を見ているような感じ。時は変わっても男と女の愛と憎しみがドラマチックなのは変わらない。
2018/02/24
kawa
昭和30年前後のディープ・サウス「なんば」のディープな男女の愛想劇を描く。中高生のころ盗み見た週刊誌の連載小説を思い出す。とは言え、その愛想劇は今も昔も異なることはないのかも…。
2023/01/19
けい子
短編集です。一つ一つの話が濃すぎて息抜きの話が無い。本の中に引きずり込まれるかと思った。体を売りながら生活する女性達に関わる男性の心の動きが上手く書かれていました。
2020/05/03
JKD
どんよりとした雰囲気の中になぜか暖かみを感じる。何とも味わい深い西成人情物語の「飛田ホテル」は秀逸。普通の男女交際が「ただで身体を提供している」という感覚になるのがこの世界らしい。「女蛭」は欲望と憎悪と殺意が濃縮された強烈なイヤミスでした。
2018/03/10
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