KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

断髪女中 (ちくま文庫)

断髪女中 (ちくま文庫)

断髪女中 (ちくま文庫)

作家
獅子文六
山崎まどか
出版社
筑摩書房
発売日
2018-03-07
ISBN
9784480435064
amazonで購入する Kindle版を購入する

断髪女中 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

アン

戦前から昭和中期に発表された、フランス帰りの著者らしい軽妙洒脱で「ジャムパン」のような親しみ深い短編集。仕事に忠実で論理的思考の女中の活躍が楽しい表題作。伊豆温泉の旅で出逢う作家志望の青年と女工志願の令嬢「団体旅行」。パリに留学中の男性がアパートの隣室の物音に腹を立てる「沈黙をどうぞ」など16篇。女性達がいきいきと微笑ましく、時に切なさを伴い、夫婦の仲が可笑しみをもって綴られオチも印象的。時代を感じながらも、どこか新鮮で色褪せない不思議な魅力のあるお話たち。ヒロイン達の朗らかな声が聴こえてくるよう。

2023/07/03

shizuka

モダンガール編。モダンガールだなあと思ったのは『断髪女中』の女史くらい。中には「ん、これはどちらかというとボーイ編では」と思うのもあったが、まあそれは置いておいて、文六さんの話は面白い。『竹とマロニエ』のおばあさんが人物としては好感が持てる。昭和初期、日本に来ていたフランス人との交流話。このフランス人、気のいい青年、おばあさんを女中ではなく日本の母として扱うから、おばあさんも情が湧いてくる。二人でドライブに行ったりなかなかオシャレ。帰国後も通訳を介し文通をする二人。縁がある人とは繋がっていくんだなと実感。

2018/03/25

ヨーイチ

文六センセの短編集、女性版ということらしい。全集でもあたらなければ読めなかった奴が読めるのは有難い限り。昭和十年代頃と思われる作品には配給とか革新運動とかの翼賛体制用語がギャグで使われている。理想の先に何があったのかはご存知の通り。ここら辺の一般人の感覚と時代相は戦前の実相を表している。内容はカラッと明るい。あとナンセンス色が濃いものもある。「花魁女中」が印象に残る。ちょっとお伽噺とも思える展開だが「乾いた人情噺」の趣。「いい話だなぁ」とズシリと来た。まぁ男は遊郭に過剰な思い入れを持つ物ではあるのだが。

2018/09/28

優希

面白かったです。女性が活躍する短編集なので、読んでいて気持ち良かったです。

2023/10/27

coco夏ko10角

16の作品収録の短編集。やっぱり獅子さんの作品はテンポよく楽しい。 『おいらん女中』素敵だ。 『見物女中』こういう人って本当にいたかも…? 『探偵女房』この奥さん可愛い。 『胡瓜夫人伝』キュリー夫人の伝記から影響を受けて…。面白かった~、これ一番好きかも。 『愛の陣痛』タイトルもタイトルの意味もなんかすごい。新婚夫婦のやり取りが楽しい。「獅子文六さんの作品に雑誌のダイアモンド!」ってなっちゃったけど、ダイアモンドって1913年創刊なのね、すごい…。

2019/02/12

感想・レビューをもっと見る