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落ちる/黒い木の葉 (ちくま文庫)

落ちる/黒い木の葉 (ちくま文庫)

落ちる/黒い木の葉 (ちくま文庫)

作家
多岐川恭
日下三蔵
出版社
筑摩書房
発売日
2018-07-06
ISBN
9784480435309
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落ちる/黒い木の葉 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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空猫

【第40回直木賞】【ミステリで読む戦後史】短編集なのでとてもシンプルなミステリばかりだ。人間描写の肉々しさと骨太な文章はこの時代(昭和30年代)ならでは、か。表題作『落ちる』の心理描写も巧みだが、お気に入りは冴えない男の逆転劇『ある脅迫』『私は死んでいる』など。埋もれた名作の復刻版は嬉しい限りだが、埋もれたのは登場する女性陣ほぼ全員の性格が悪いからか、官能描写が多いから?ともかく長編も読んでみたくなった。

2019/11/20

Ayah Book

どれも面白い昭和ミステリ短編集。知らない作家さんでしたが、やはり昭和のミステリは男女のドロドロと海外ミステリを意識したオシャレ感がマッチしてとても良いです。好きだったのは、真の変態は誰か?「落ちる」、昭和の悪女像「かわいい女」、青春の残酷さ「みかん山」「ライバル」、子供がヤバイ「黃いろい道しるべ」、何ともやりきれない「澄んだ眼」、耽美「黒い木の葉」でした。「ライバル」が一番好きかな。

2019/10/17

マヌヌ2号

多岐川恭の作品はほとんどが絶版で、ぼく自身数冊読んだきりだったので、こういう形で復刊してもらえるのは大変ありがたいことですね。で、本作についてですが、なるほど確かに名品ぞろいだなぁと思いました。多岐川恭のドライさというか、「まぁ人間ってこんな愚かな奴らだよね」っていう冷えた目線は初期から一貫していたんですね。それと、全体通しての特徴として、真相を二択まで絞って「さぁどちらかな」と提示している短編が多かったように感じました。そして大抵後味の悪い方に転ぶという……この作者鬼かよ……。ともあれ、よい短編集でした

2018/07/15

まぶぜたろう

貧困、女性虐待、旧制高校へのノスタルジー、嫉妬、性倒錯…、昭和ミステリーならではの暗い情念に満ちた傑作揃いの短編集。トリックを偏重せず、あくまでも動機に重きをおいているのがいい。■名高い「落ちる」「ある脅迫」(前者は神代辰巳、後者は蔵原惟繕がドラマ化、映画化し、共に傑作)はもちろん、薄幸な女性と伏線が印象的な「笑う男」歪な女性像が素晴らしい「かわいい女」貧困の中の歪んだ犯罪を描く「澄んだ眼」「黒い木の葉」リドルストーリー風の「ライバル」がお気に入り。(○○○○)

2018/12/06

jam

面白かった。「猫」「笑う男」「私は死んでいる」「みかん山」「黄いろい道しるべ」が好き。謎解き要素は今読むと古いのかもしれないが、人物描写が素晴らしく、登場人物がしばらく忘れられないぐらい頭に残る。

2018/11/06

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