西成山王ホテル (ちくま文庫)
西成山王ホテル (ちくま文庫) / 感想・レビュー
Shoji
西成山王とはどういう場所なのか、この本から拾ってみました。「すえた臭いの漂う裏町」、「理論や言葉だけではどうにもならない現実」、「独特の酸味と苦みの混じった臭いが漂い、社会で行き場を失った人たちのたまり場」とまあ、形容されています。そんな街に暮らす男と女の悲哀が書かれています。暴力や売春やクスリに依存して生きて行く壮絶な男女の人間模様なのに、どこか切ないお話でもありました。
2018/08/15
るい
50年前に出されたというその時代をリアルに噛み締めたくて手に取ったけれど…。思っていたのと全く別方向の展開に予想を越える濃さと暗さ。まやかしの日々は虚像でしかなくて現実はただひたすらに暗闇に塗り潰されて絶望へ進んでいく。重かった。
2021/04/26
JKD
絶望と希望が渦巻く西成地区。壮絶な生活とどす黒い愛憎劇。中にはひっそりと死んでいくものも普通にいる。とても恐ろしい町のようだが、実際に行ってみると人間臭い人たちばかりなので、私はこの地域が嫌いではない。それは好奇心だけの余所者だからなのでしょう。
2018/08/28
犬養三千代
昭和30年代のドヤ街の雰囲気が立ち昇ってくる。その喧騒、置屋、働く女達。「崖の花」はちょっと異色。異母兄を愛した哀しい物語。 いま、山王にはざこば師匠の「動楽亭」があり、初めて動物前駅降りたときは引いてしまった。が、 過去の山王ではなく今も続いている感じがする。60年経ても、変わらない何がある。 男と女しかいないんだなぁ。
2022/02/01
nyanlay
図書館で見かけて借りてみました。本自体が新しく見えたので、最近の本かと思いきや、約50年前の作品。関西はもともと土地勘がないので、見知っているイメージで読んでみました。全体的に救いようのない話しばかり。ただ嫌な読後感がなかったのが不思議。
2018/10/29
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