紙の罠 (ちくま文庫)
紙の罠 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
katsubek
久々の再読である。昔のエンターテインメント。今はもう、こういう小説は流行らないんだろうなあ。伏線という言葉がある。昨今は「フラグ」なる言い方があるが、思うに、伏線というものは、それと気付かれることなく張られるもので、最終盤になって読者を悔やしがらせるものだろう。「フラグ」とは少し違うかも知れない。本書は「本格ミステリー」に位置付けられるものでもあろう。そこら中に伏線が張り巡らされている。畠中恵の師にあたる作者の作品。知の挑戦として楽しみたい。
2021/06/21
hnzwd
印刷前の紙幣用紙強奪事件を開始として始まる、複数人・複数グループが混じっての一大アクション。都筑道夫のアクション小説は初でしたが、敵味方入り乱れての逆転に継ぐ逆転。裏切りありの争奪戦は面白かったです。公衆電話等、時代を感じる部分はあるものの、会話のユーモアやキャラクターは現代でも通じる出来だと思いました。
2020/04/29
geshi
紙幣偽造をめぐり騙し合い・出し抜き合いが目まぐるしく火花を散らし、10頁先の展開を予想できないストーリー。「なんでそれが必要になるって分かるんだよ」と言いたくなる準備の良さも含めて、荒唐無稽のご都合主義を頭カラッポにしてついていかせる筆の力。読点の多さはパッと見で読みにくそうなのに、意外に気にならなくなっているのは、文章のリズムがいいんだな。小洒落た言い回しや、敵対する者同士でもいがみあいにならないスマートさなど、こういうのが楽しまれた時代を含めて面白がれた。
2020/02/10
rosetta
★★★✮☆なんと1962年に出た本の再刊。映画の原作だったそうだがそれを知らずに読んでいてもずっと昭和の映画を観ているようだった。ただし宍戸錠や長門裕之ではなく自分の中では植木等とクレイジーキャッツだったがw軽快、軽妙、軽薄(笑)人間関係と言い台詞回しといい昭和のお洒落やダンディズムが満ち溢れている。ミステリにもハードボイルドにもなりうる内容なのに敢えてコメディに仕立ててあるのが小気味よい。難しい事やツッコミやコンプライアンスはなしにして古き良き時代の空気に身を浸そう!
2020/01/09
Syo
既読だとは思うけど 都筑道夫 サザエさんもやんなぁ
2023/11/18
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