鴻上尚史のごあいさつ1981―2019 (ちくま文庫)
鴻上尚史のごあいさつ1981―2019 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
ばんだねいっぺい
鴻上さんは、自身の恋愛を通して、世の中を理解していく人なんだと思った。信じて傷つくつらさを受け入れながら、ギリギリのところで踏みとどまるのがかっこいいなぁと思った。
2022/01/29
西
劇場に入って、最初に読む作者や演出家によるごあいさつを読むのが芝居の楽しみの一つ。どんな思いからこの作品が出来上がったのだろうと、想像するわけではないけど、感情移入するというか。大概はなかなかその意図というか真意までたどり着けないものだけど、それでも何か勝手に共感して、芝居の世界に引き込まれる。ここに書かれた芝居の半分も、リアルタイムでは見れていないけど、どんな芝居だったか想像するだけで楽しい。どれも甲乙つけがたいごあいさつで、次のを早く読みたい
2020/03/08
アイロニカ
図書館本。著者が舞台の芝居で配ってきた「ごあいさつ」をまとめて解説を加筆したエッセイ集である。著者のことはコミュニケーション論の新書でしか知らなかったもので、劇団への情熱や文章の遊び心、物語や恋心への複雑な逡巡など、予想外にハートを揺さぶられる感覚となった。
2020/11/10
なおこっか
本の厚さに一瞬驚いた(何しろごあいさつはA4コピー1枚裏表のイメージだったから)が、考えてみればコーカミさんは還暦過ぎてるし、オータカさんはオレオレ詐欺注意のチラシ貰ってショック受けてるし、その間ずっと芝居を続けてらっしゃるんだった。15歳の時の自分にはぴんとこなかったけれど、今読むと、ちょっと歪で尖ってて、演劇を消費する大衆には殴りかかりそうなコーカミさんが懐かしい。15歳で雨の様に浴びた台詞がいつのまにか染みてたように(多分、みよこの手紙暗記してる)は、己の吸収率はよくないけど、今の言葉も染みた。
2020/11/24
やまねっと
筆者の芝居を観に行くと芝居の他にこのごあいさつを読むのが楽しみの一つである。本書はそのごあいさつを38年分収録した本だ。 何度も鴻上さんの芝居を観に行ってこれを読んでいるにもかかわらず中身をほとんど失念してしまっていた。僕にとって楽しみなごあいさつは覚えているほどのものではなかったという現実である。その場ではなるほどと思うが、芝居の面白さにごあいさつの中身が吹っ飛ぶのだ。それにしても書き続けるとはすごいものだな。こんな本にもなって私みたいに買う人間がいるのだから。響く言葉とそうでもない言葉がそこにはある。
2020/07/19
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