「居場所」のない男、「時間」がない女 (ちくま文庫)
「居場所」のない男、「時間」がない女 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
藤瀬こうたろー
自分はどうだろうと比較しながら読んでしまう(笑)私がイクメンしてた時期って、たぶん著者の方よりも最近なので平日子ども連れて遊ばせていてもママさんたちとも普通に話してたし、少なくとも不審者っぽくは見られなかったので幾分かイクメン、イクパパが浸透していた時期だからだろうか。「共働き夫婦の夫の7人に1人は全く家事しない」ってもはや男の私から見ても「え、いつの時代ですか」って話です。ていうか、しなくていいなんて羨ましい(失言?)これから共働きでいくなら洗濯掃除は当たり前の時代かな。私は今目下「炊事」と格闘中!
2021/11/21
bittersweet symphony
基本的にはいつまでたっても変わらない高度経済成長期の社会規範に縛られていることへの嘆き節が中心(これは今更改めて語られるまでもないことですね)、そして提案されている解決策はみんなで一斉にチェンジしたら何とかなる、というなんと申して良いやらわからないものでした。
2020/06/17
ぺんぐぃん
著者はTVでお見かけしてて、詩人と思い込んで読み始めたがガッツリ社会学の内容。やっぱり今の世の中、男は社会人となるべき、女は子供を産み育てるべき、と生き方が硬直していることをズバリ指摘。だから昼間に男は居場所が無く、女は仕事と育児で自分時間を奪われる。男も女も生きづらいと感じる人が一杯いて、少子化は止まらない。2015年初版刊行だが、悲しいかな状況は全く変わっていない。だが、このコロナ禍で効率だけを優先してきた事の歪みや新しい価値観が顕在化したのは、明るい兆しなのかもしれない。
2021/03/28
carrion_crow
Twitterで友人が話題にしていたので買って忘れて積んでいたのをようやく読了。 ジェンダー論エッセイ集かなと思ったら社会学の本だった。現実的でない社会規範のせいで男性も女性もそれぞれに限界なので、もう社会規範から変えないとダメ(しかし、それができれば世話はない……)というお話。 登場する色んな人の経験談が全部あるるあ……辛い……という感じで刺さりまくるが、将来へのわずかな希望も感じる。 男性の生き方を見直す機会にもなる良書だったので、男性にも女性にもおすすめ。
2023/08/24
しゅー
★★「これまでの日本では、『男性の孤独』も『地域社会の解体』も、高く安定した婚姻率のおかげで、問題化せずに済んできたにすぎない」「変化とそれにともなう社会不安は、母の愛情で払拭されるべし」「~女性の時間は女性個人のものではなく、家族の共有財産であると考えられている~」日本の高度成長をめぐる幸福な物語が転倒し、その結果であった「日本的な家族像」が、いつの間にか原因として希求されるようになった。「関係貧困」な男性と「時間貧困」の女性を生んでいるのは、ブラックな職場を維持して搾取を続けたい資本の論理なのだろう。
2020/07/18
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