本を読む人だけが手にするもの (ちくま文庫)
本を読む人だけが手にするもの (ちくま文庫) / 感想・レビュー
ミライ
藤原和博さんが、本を読むことについてのメリットについて語った作品の文庫版(文庫版の特典として「メモの魔力」の前田裕二さんによるエッセイを収録)。読書をすることによって知識のインプットを増すことで、クリティカルシンキング(物事を多面的に見れる)が出来るようになり、近年問題になっているSNSなどのデマにも惑わされなくなる。本を読むことは著者の「脳のかけら」を、レゴのように自分の脳にガチャっと嵌めることだという文中の表現がしっくりきた。こういう感覚で本を読むと、著者の考えをよりよく頭に組み込めるような気がする。
2020/06/03
Roko
本を読むのが面倒くさいと思っている人は、きっとつまらない本ばかり読んできたのだろうという著者の指摘は、正にその通りだと思います。国語の教科書に載っているような作品の中には、読書好きのわたしでも「つまらないなぁ」って思うものが結構ありましたもの。この本の巻末に著者が薦める本がたくさん上がっていました。特に「ピーターの法則」はみんなに読んでもらいたいと思う本です。
2021/12/08
kubottar
グーグル入社試験の話が面白かった。「スクールバスの中に何個ボールが入るのか?」誰でも複雑な数式を駆使して答えを導くのが正解かと思うが、実は文学的な解答でも合格するそうだ。本を読めばそういう発想力も身につくのかもしれない。
2020/05/20
コニコ@共楽
タイトルの『本を読む人だけが手にするもの』って何だろうと思う。楽しい時間?幅広い視野?いろいろなものがあるだろう。そんな中で、現代という今、人生を豊かにしてくれるものとしての読書、具体的な能力として訓練するものとしての読書を解説しているのがこの本といえよう。大事なのは、「情報処理力」から「情報編集力」への切り替え、そして「シミュレーションする力」だという。今ある素材をいかに組み合わせ、新しいものを構築していくか、そして次の展開を予想する力が鍛えられるという。附録のおススメ50冊も参考になる。
2023/03/11
こちょうのユメ
幸福になるために読書をする。著者はそう言いたかったに違いない。その理由として、1997年から21世紀型成熟社会への移行が始まった。これからの混迷の時代は、自らの幸福論を構築するための教養が必要。つまり、自分の生きる方向を決定する重要な要素となるのだ。その方策は、幸福の追求、時間の有効活用、情報編集力の重要性、行動の変革、アウトプットの重要性など挙げる。そして読書の喜びは「作品は『作家の脳のかけら』だ。その脳のかけらを読者は本を読むことで、自分の脳につなげることができるのだ」という。そういうことなんだ。
2023/12/03
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