侠気と肉体の時代 現代マンガ選集 (ちくま文庫)
侠気と肉体の時代 現代マンガ選集 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
keroppi
「現代マンガ選集」第5巻は、これまでの巻と趣を異する。これまでのマイナーな作品を発掘したのと異なり、収録されているのは、「巨人の星」「あしたのジョー」「空手バカ一代」「男組」「柔俠伝」といったメジャーな長編の一部分が多いのだ。マンガが描いてきた、肉体と侠気を集めると、この辺は外せない所なのだろう。今やパワハラとして片付けとしまわれそうな1970年代の熱気は、懐かしさと共に興奮したあの時代を思い起こさせる。最後に収録されている作品は、違和感を感じるが、本当は大友克洋を収録し肉体の変遷を伝えたかったのだろう。
2020/09/26
Vakira
今回は侠気(男気)&肉体がテーマ。白土三平、バロンさん、高寺さんに会えて嬉しい。高寺さんは大友克洋さんのアシであのAKIRAの背景を描き上げた。昨年亡くなってしまって悲しい限り。また高寺作品読みたくなった。屋根裏の書庫から救出しよう。しかし今回のテーマに合ってないよね。「男おいどん」風。でも思い出させていただき感謝。さてさて今回、王道の長編作品が5編も、しかも2編はいきなり感動の最終回。夏目さん狡っこい。「あしたのジョー」は全巻揃えて友人が入院した時に貸して帰って来ず、再度文庫タイプで揃えた思い出。
2020/10/01
たまきら
…怖いのは…既読のものが多いということじゃないかしら。少女漫画よりこういうマンガが好きだったからなあ…。興味がなかった「巨人の星」以外は結構知っているお話でした。1963年の作品、太刀持右馬之介は面白かった!こういう昔のマンガ、もっと読めるようにならないかなあ…。
2023/07/13
ぐうぐう
「侠気と肉体の時代」をテーマとする『現代マンガ選集』第5巻は、『消えた魔球』を書いた夏目房之介を選者に迎える。白土三平で幕を開け、続く平田弘史、そして『巨人の星』という流れは、劇画から始まる肉体の描写が少年漫画へ影響を与えていく過程を如実に伝えている。このテーマにおいて、梶原一輝の存在の大きさを再認識させられる(ここに手塚の居場所はほぼない)。侠気という意味では、『あしたのジョー』よりも『巨人の星』の異様なテンションとストーリーが印象に強く残る。それも、川崎のぼるの確かな画があってこそだ。(つづく)
2020/10/20
くさてる
題名通り、まさに肉々しいとしか表現できないような作品が多いなか、白土三平「ざしきわらし」が童話のような侠気の話で印象に残った。「あしたのジョー」は、ここにいたるまでの物語展開がすごいのですが、どこか一本と選ぶなら確かに最終回しかなかったかも。
2023/06/22
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