私たちはどこから来て、どこへ行くのか ――生粋の文系が模索するサイエンスの最先端 (ちくま文庫)
私たちはどこから来て、どこへ行くのか ――生粋の文系が模索するサイエンスの最先端 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
読み終わって最高の満足感。「文系」の著者だからこそ、タイトルのような疑問点を追求して文章化してくれるのだろう。「中二病」という言葉も出てくる。しかしタイトルのような哲学的、根源的な問いには、本書のようなインタビューがふさわしいし、理解しやすい。生物への「なぜ」は、量子論・宇宙論まで巻き込んで、意志・意識の謎、生物の動的システム、時には非科学的な話題さえも交えて、あの問いへと進んでいく。「ドキュメント」とあるように、単に対談のテープ起こしなどではない。研究者との丁々発止がスリリングで要注目。ぜひ再読したい。
2020/10/19
K1
2012年4月から14年11月までの連載をまとめた単行本のの文庫化。「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」ーその道の専門家(生物学者4名、人類学者1名、進化生態学者1名、物理学者1名、脳科学者2名、サイエンス作家1名)に聞いてみた。その内容が書かれている。わかってきたこともあるけれど、わからないこともまだまだあって、その答えはわからないだろうということがわかった。だからといって、考えることを、仮定を実証する実験をやめるべきではないと思った。
2021/01/20
くものすけ
人間は遺伝子の乗り物に過ぎない、重要なのは遺伝子であり、人間は対して重要ではないという引用があった。ドーキンス利己的遺伝子論というらしい。話は分からないではないが、そう言ってしまっては身も蓋も無いだろう。人間は流行り人間で遺伝子の乗り物ではない。
2020/11/12
みんく
♪こーどーも 電話 相談室っ♪次のお友達は、森達也君でーす。「私たちはどこから来て、どこへ行くんですか?私たちは何者なんですか?」はーい、この質問は今日来ている10人の先生、全員に聞いてみましょー。こんな感じの本書だが、内容はとっても難しい!熱力学第2法則より、宇宙はエントロピー増大する方向に向かって行っていて、人間は川の流れの中の渦のようなもの。局所を見ればエントロピーは減少しているが、大きくみるとエントロピー増大を加速させている。つまり私たちは、宇宙の終末を速めている存在。宇宙人には気づけないのかもね
2021/05/07
ハルト
読了:◎ 人間の生死と進化、宇宙について、自己について、科学の信じる先にはなどの、理系の根源的な問いを、最先端にいる科学者たちに問いかける入門書。どうしようもなく文系な人間である私には少々難しくはあったけれど、全編に通底して問いかけられる「どこから来て、どこへ行くのか」という問いのそれぞれの答えには、いろいろ感じ考えさせられた。再読したい一冊。
2020/12/09
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