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幻の女 ――ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

幻の女 ――ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

幻の女 ――ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

作家
田中小実昌
日下三蔵
出版社
筑摩書房
発売日
2021-01-09
ISBN
9784480437150
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幻の女 ――ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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cinos

ミステリというよりも異色作家小説という感じで、不思議な話が昭和の風俗とともに軽妙な文体で書かれています。「悪夢が終わった」のラストでいきなり英米文学の名作の結末になり悶絶しました。「11PM殺人事件」が密室殺人からの、死体消失というミステリ色が強い作品で楽しめました。

2021/04/02

佐島楓

吉行淳之介とかあのあたりの作家からのつながりで読んでみたいと思っていたひとだったけれど、エッセイから入ったほうがよかったのかなあ。昔の風俗があまりにも猥雑で、意味がよくわからないスラングも頻出するし、何より若い女性が性的対象としか見られていなくて引いてしまった。そういう時代だったんだなあと。今の作家がもう持っていない語りの面白みはあるんだけれどね。

2021/03/07

くさてる

なんとも不思議な読み心地。テンポよく進む語りの文章は60年代のスラングが頻出して、中には意味も分からないようなものもあるけれど、ぐいぐいと読ませていく。女性の扱いの軽さと薄さはちょっと驚くほどだけど、これもまた時代性と思えば、よりリアルにその時代を表現しているということ。なので、ミステリというよりは当時の世相を感じるための一種の風俗小説として楽しみました。それでも表題作はやはりどこか不気味だし、「タイムマシンの罰」の虚無といってもいい底知れない怖さも印象に残りました。

2021/03/13

JKD

まるで漫談を読んでいるかのようなテンポのよさでブッ飛んだ話ばかり。4コマ漫画のようなオチで終わる「たたけよさらば」に始まり、ずっとバーとかユーレイが出てくる。ミステリーの真相は緻密なトリックではなくユーレイで片付けられる。

2021/02/14

Inzaghico (Etsuko Oshita)

この人は「ユーレイ」の話が好きなんだなあ。殺された主人公が天国に入れてもらえなくて自分を殺した犯人を探す「たたけよさらば」を筆頭に、タイトルですべてを物語る「先払いのユーレイ」などなど。この人は女性も好きなんだなあというのがよくわかる作品も多かった。とくに水商売の人が好きなのね。水商売のちょっと歳のいった女性は、味があって面白い人多いものね。「11PMの殺人」は、今からすれば笑っちゃうようなオチなのだが、雰囲気にもっていかれた。ちゃんと伏線も張ってあったのに、まんまとしてやられました。こういうのが好きだ。

2021/03/08

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