向田邦子シナリオ集 ――昭和の人間ドラマ (ちくま文庫)
向田邦子シナリオ集 ――昭和の人間ドラマ (ちくま文庫) / 感想・レビュー
ツキノ
2021年7月発行。一話完結のテレビドラマ脚本五編。「隣の女」だけはドラマを数年前に観た。平松洋子の解説がいい。
2021/09/26
みい
「隣の女」は見たかもしれない。挿入される歌舞伎っぽい場面がなんとなく記憶に残っている。どのシナリオも主要な演者の名前が書いてあるので、その人たちの仕草や声を思い描きながら読んだ。鬼籍に入った人たちが殆どだけど、女優さんたちの声ってすぐに思い出せるのが不思議。あの頃は苦手だった大人たちのちょっとずるかったりどろっとしてたりため息交じりだったりする世界。今でも人間関係の難しさは苦手だけれど、そんなふうに人生は過ぎていくのだと思う。赤や緑や青の電車が行き過ぎる昭和の東京が時々無性に懐かしくなる。
2021/09/14
kentaro mori
異なる場面でのセリフや仕草のひとつひとつが、関係し響きあう。光景が完全に目に浮かんだ。曖昧な部分がまったくない。坂元裕二はこの人をものすごく研究しているだろう。
2021/07/13
唯
あの時代に、女性の視点で率直に描かれる作品って新鮮だったろうなあ(だから向田邦子たる所以)。埋もれていただけであって、女性達はそれ以前も自由と独立を求めていたに違いない。しかし、それを許さない社会があって、妻から謝らざるを得ない夫婦関係があった。結局は、男によって女の人生は決まるのだ。結婚するにしても一人で生きるにしても、それを選び取った時点で、もう一つの人生を捨てたことになる。そして、手放した人生に焦がれ続けるのが女の一生である。向田自身は、やはり結婚している女が一人前というか社会で認められる存在で⇒
2022/07/24
みけ
向田邦子さんの作品が懐かしいと話していたら、友人が貸してくれた本。エッセイは読んだことがあったけど、脚本は初めてで最初は読みにくかった。昔のドラマの情景が頭に浮かび途中からは引き込まれていった。配役が書いてあって、知らなかったり、若かりし頃を想像できない俳優もいたが、昔懐かしい昭和を楽しめた。
2022/02/17
感想・レビューをもっと見る