刀 ――文豪怪談ライバルズ! (ちくま文庫)
刀 ――文豪怪談ライバルズ! (ちくま文庫) / 感想・レビュー
みっちゃん
「刀」を巡る文豪達の競演。日本刀って精魂込めて鍛えた刀工、その怪しげな輝きに魅せられた持ち主、そしてその刃で命を落とした者、全ての念を吸いとって取り込んでそうな気がする。宮部みゆきのお初のシリーズは読んでいるはずだが、全く新鮮な気持ちで読めた(笑)やはり語り部の貫禄。そして皆川博子。これでもか、と披露される蘊蓄の最後に待っているぞぞぞっ。こちらもさすが。ラストを飾る泉鏡花は…あまりにも読み辛く、すいません、挫折であります…
2021/11/17
KAZOO
東雅夫さん編集による刀を題材としたアンアソロジーです。このシリーズはあと「鬼」と「桜」が出るようです。この刀では私の好きな皆川さん、宮部さん、加門さんの女性の作品が楽しめました。また平家物語や遠野物語拾遺や伝説などからも採られています最後の泉鏡花の作品はルビがふられていて若干読みにくい気がしました。
2021/11/22
さつき
刀にまつわるアンソロジー。神剣、名刀、妖刀さまざまな物語を息詰まる思いで読みました。陰惨極まりない話しもあれば、健気さに心打たれたり、心底肝が冷えるエピソードもありました。ギラギラした銀色の刃を思うと包丁を握るのさえしばらくは緊張しそうです。
2022/03/16
藤月はな(灯れ松明の火)
序盤で赤江瀑氏の『草薙剣は沈んだ』が載っていた時は心が晴れやかになりました。遊魂、若しくは現代版『耳なし芳一』とも言えるような物語。現世ではベッドに手足を縛りつける事で連れ去らわれまいと恐れ、明子を愛しているからこそ、繋ぎ止めてくれるのではないかと恥じらいながら答える飯野の姿はどれ程までに匂い経つような色香に包まれていただろう。加門七海さんの『女切り』の老爺一人と若かりし頃から虜にした男一人を惑わせる刀に潜む女はまさしく、「魔」そのものだ。しかし、勝敗は明らかに見えていたね。
2021/10/28
ポチ
宮部みゆき、加門七海、2〜3頁の短編が良かったですね。ゾゾゾッとする話しもいくつかありますね。妖刀と呼ばれる何かしら曰くのある刀って多いですよね。命を絶つものだからなのかな。
2021/12/27
感想・レビューをもっと見る