新編 おんなの戦後史 (ちくま文庫)
新編 おんなの戦後史 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
石井千湖
「Oggi」4月号で紹介しました。語り口はやさしいけれど、読みながら自分のことも問われているように感じる本。
2022/02/26
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戦争体験を経た筆者による日本女性史。「社会において男の人権が確立されていないとき女の人権が無視される」とし、女性差別と男性の無権利状態を表裏一体のものとして語る。1970年代の論考だが、人間を利益追求の道具としてのみ見なす現代資本主義への痛烈な批判となっている。今でも「国のため」「組織のため」という名目で男女双方自我が剥奪されているため、ジェンダー問題は解決されない。男を単に仮想敵攻撃するフェミニズムは無意味だ。女性ひいては男性の自律を促し、利益を産む道具としてのみ人間扱う社会にこそ問題提起すべきである。
2022/01/03
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