第8監房 (ちくま文庫)
第8監房 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
HANA
柴田錬三郎というと時代小説のイメージが強いけど、本書はそんな著者の現代ミステリを集めた一冊。収録作のうち「平家部落の亡霊」のみは地方の怪奇と外連味たっぷりの異色作なんだけど、残りの収録作はミステリというか当時の風俗を描いたものが大半を占めている。推理小説的な謎解きより、風俗小説という部分が勝っている感じ。読んでいるうちに当時のミステリに求められているものと、現在求められているものとの落差がむしろ面白い。あ、でも流石著者というべきか小説としての骨格はしっかりしているので、小説として面白い物ばかりでしたよ。
2022/05/22
cinos
2月に読了。
2022/02/28
OHモリ
・まずシバレンこと柴田錬三郎の個人的印象から語りたくなってしまった。小学生の頃岡山に住んでいた僕は同級生にシバレンの親戚だという少年がいて初めてその名を知って関心を持ったのだけど、その頃TVで放映されていた眠狂四郎シリーズはエッチな描写があってなかなか・・・自分の中では白土三平のコミックの世界にもちょっと重なる気がする。 ・シバレンは「剣鬼」に続いて2作目。この短篇集は時代小説ではなく現代、と言ってもまだ戦後の臭いがプンプンする時代の小説で、時代背景やテイストは松本清張っぽい。
2022/05/10
hirayama46
柴田錬三郎を読むのはこれがはじめてかな……? 時代ものの印象が強い作家さんですが、こちらはミステリ短編を集めたもの。裏表紙にも「〈狂気〉ほとばしる作品群」とありますが、たしかにだいぶ常軌を逸した作品が多かったな……。いかにもハードボイルドだけどどこか普通じゃない「銀座のジャングル」、ねじくれた展開が楽しい表題作など、オフビートに面白い作品集でした。
2022/06/23
あんすこむたん
初読みの作家。著者については直木賞をかなり前に取った人というイメージしかなかった。時代を感じるものの、ハードボイルドな雰囲気は楽しめた。ミステリーとしてはそこそこか。
2023/12/14
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