KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

ふしぎなお金 (ちくま文庫)

ふしぎなお金 (ちくま文庫)

ふしぎなお金 (ちくま文庫)

作家
赤瀬川原平
出版社
筑摩書房
発売日
2022-05-12
ISBN
9784480437938
amazonで購入する Kindle版を購入する

ふしぎなお金 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

keroppi

「こどもの哲学 大人の絵本」シリーズ3作目。今回はお金がテーマ。赤瀬川さんの「千円札裁判」を思い出すが、お金は凶器でもあり、血液でもあると展開する。その着眼点は面白いのだが、何故か前2作ほどハッとしない。それは、現代がお札でなくキャッシュレスの世界になってきたせいではないかたと思った。今は、お金というものを目にしないことが多いし、触れることも少なくなった。スマホでピッとやるだけで物が買えてしまう。ただ、この本にも「お金はますます見えなくなった」という文もあり、赤瀬川さんは、今を想像していたのかもしれない。

2022/05/15

へくとぱすかる

コートを預けることが、まるで武器をあずけて丸腰になることと、同じ感覚ではないのか、という話からお金の話に自然にシフトしていく。その自然さが絶妙で、「お金とは何か」という、まさに哲学的な議論をすんなり受け入れさせてくれる。サイフからのぞく一万円札の絵がリアルなのは、赤瀬川さんの「千円札裁判」をどうしても連想する。Ⅳ章の、飼い犬のニナの話には、一番びっくりするが、約束手形の「約束」の意味を、しっかり悟ったと思う。そこからお金(コインでもお札でも)の意味にたどりつくには、わずか一歩しかない。入門書としてすごい。

2022/05/18

空猫

『レモンをお金にかえる法』という絵本が分かりやすくて、経済学について初めて読む本には最適だと思っている。本書はもう少し詳しくて、それでいて哲学的でもあり、次のステップに最適だ。…「お金」とは、銃(武器、刀)の、あるいは血のようである…。赤瀬川氏の「子供の哲学 大人の絵本」というシリーズらしい。挿し絵もお洒落だし。続刊もどんどん読むよ。

2022/09/25

Shoji

著者があとがきでこう書いています。「疑問というのは、解決すれば科学になるが、解決しない疑問は哲学となる」。なるほど!。この本はお金がテーマです。お金とは哲学のようです。答えが出ません。例えば、お札と拳銃は、護身のためか攻撃のためか。答えが出ない。お札と血液は、人目のつかないところにあるもの、吹き出し始めれば際限がない、流体である、生臭いものである、いきなり見せられるとドキリとする、なくてはならない。キリがない。やっぱり哲学だ。実は私、こんなことを考えるのが好きである。屁理屈好きな方にお勧めです。

2024/11/16

阿部義彦

赤瀬川原平さんの哲学絵本の第3弾です。今回のテーマはお金です。結局貨幣は『国会で青島幸男が決めたのだ!』byバカボン ではないですが決まり事に過ぎない事を暴露しています。共同幻想ですか?そして、それからの飛躍、犬だって約束手形を知っているには魂消ました。この部分はたしか文章でも書かれていたと思います。ご本人も生前、胃潰瘍になりながらも1000円札を精密に模写して裁判になっただけあります。その後懲りずに零円札を発行した顛末もあっぱれです。イラストがまた良い味をだしてます。

2022/05/18

感想・レビューをもっと見る