ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) / 感想・レビュー
あきら
時代も含めた背景描写がものすごくリアルで(本当にリアルかは分からないけど)、主人公と旅をしている気分になる。旅なんて暢気なものではないけれど。 ミステリも本格的で終始ハラハラでした。 どうしても、今のロシア-ウクライナ情勢を重ね合わさずにはいられない。 歴史は繰り返さないが韻を踏む、ってのはそうなんだろうと思いました。
2022/04/26
venturingbeyond
『戦場のコックたち』に次ぐ、著者2冊目。前作にも唸らされたが、今作も敗戦直後のベルリンで、敗戦に打ちひしがれながら、ナチズムに併走した自らのあり方を振り返り、純然たる「善良な被害者」として自分たちを位置づけることのできない市民の心持ちが、主人公・アウグステの心情描写からありありと浮かび上がってくる。ナチズムへの積極的同調者とは異なり、父母を戦中に失い、ユダヤ人や障害者に対する迫害に心を痛め、地下活動に身を投じて弱者を救おうとしたアウグステが、自らの罪責を問わなければならない戦争の災厄が何ともせつない。
2022/03/21
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
舞台は1945年7月ナチスドイツ降伏後のベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人が、歯磨き粉に仕込まれた毒により不審な死を遂げる。彼女は嫌疑をかけられつつも、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。帯には「歴史ミステリーの傑作」とあるが、ミステリー色はかなり薄めで、元俳優の連れと荒廃した戦後の街を巡るロードムービー的なお話。ナチス支配により戦争に突き進む様子や、戦後の混乱するドイツの様子が詳しく語られており、その点は読み応えがある。ただミステリーを期待した読者にとっては単に長いだけのお話なのではないだろうか?★★★
2022/07/16
優希
負の力の強さを感じました。世界大戦を追っていると、様々な考えがあるのだと知らしめられます。戦争のもたらしたリアルな惨劇が刺さります。
2022/08/19
やいっち
最初にこれを読んどきゃよかったな。「1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。」ストーリーも分からず、物語はどう展開するのか、いぶかしみつつついていったが……ロードムービー風なミステリー? 必ずしも高くは評価できないな。
2024/11/13
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