平成古書奇談 (ちくま文庫)
平成古書奇談 (ちくま文庫) / 感想・レビュー
HANA
古書に纏わる様々な話を収録した短編集。SF、ミステリにホラーとジャンルは多岐に渡っているが、どうも一つ一つの話は小粒なような気がしてならない。もう一捻りが足りないというか、もう少し深掘りが欲しいというか。それでも読んでいると、古書店や古書市が持つあの独特の雰囲気が思い出されるのは嬉しいところ。あと古本トリビアも楽しいな。『食道楽』で有名な村井弦斎が大量のSFを書いていたとか初耳だし。佐藤垢石の『幽影物語』に俄然興味が湧いてきたり。人を選ぶと思いますが、古本好きの人なら雰囲気が気に入る一冊だと思います。
2022/11/21
ヒデキ
ヨコジュンさんの未刊だった古書店シリーズです 本自体をテーマにしていますが、 買取や古書展など古書店さんの活動が、主体のように思えました。ご主人の過去をもっとしりたいと思ってしまいました。 平成のタイトルが、ついて2000年代の初出ですが、 感じは、70年代~80年代という感じに思えてしまいました。 久しぶりにヨコジュンさんのSFを読みたくなりました
2023/09/21
ヨーイチ
作者は構成の日下三蔵によると二期に分類される古参のSF作家とのこと。名前だけは知ってた。古書奇談とあるが、古書蒐集家でもあった作者の「古書」をテーマとした連作集をちくま文庫で発刊した物らしい。小説としては軽い連作で古書がテーマってわけでは無いらしい。でも古書店主の蘊蓄、経験談とかに「古書」に親しんできた作者の深みが隠されている。そこら辺が分かると中々深い一冊かも知れない。解説によると架空の古書も混じっているらしい。でもこの前読んだばかりの村井弦斎「食道楽」があったのは嬉しくもあり、チョット鼻高々。続く
2024/07/10
hippos
一編一編の話は中途半端感が否めないけれど、古書にまつわる短編連作として捉えるとまずまず面白かった。業界のことも少しは知れたし。 個々の短編では「おふくろの味」が印象深い。
2022/11/13
阿部義彦
横田順彌さんの古書にまつわる連作短編集がよめるなんて!ヨコジュンといえば、私の中ではダジャレのハチャハチャ小説家でSFも古書も、明治文化も後から知りました。たしか「銀河パトロール報告」という文庫本が駄洒落の連発で衝撃的だった記憶が有ります。ホームズのパロディで題が「まだらのひもの亅でしたね。兎に角ギャグセンスが半端なかったです、カフカの変身のグレゴール・ザムザをもじって、その日は寒かった。主人公の「ミズコールサムサ亅は、なんてのもありました。古書に関する話でホラー、ミステリー、オカルト風味など楽かった。
2022/07/15
感想・レビューをもっと見る