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なめらかな社会とその敵 ――PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫 ス-28-1)

なめらかな社会とその敵 ――PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫 ス-28-1)

なめらかな社会とその敵 ――PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫 ス-28-1)

作家
鈴木健
出版社
筑摩書房
発売日
2022-10-13
ISBN
9784480511201
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なめらかな社会とその敵 ――PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論 (ちくま学芸文庫 ス-28-1) / 感想・レビュー

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アドソ

タイトルに惹かれて読んだけど、いやまあ難しいです。難しいというより、最初の線形代数の部分が曖昧模糊としていて中途半端。着想のエッセンスを伝えようとしているのだろうけれど、これだけでは理論的に正しいのかどうかさえ判断できない。後半に行くにしたがってだんだん面白くなってきた。1人の人間をいくつもの個に分ける発想は面白いし、すでにSNSでの別人格や、メタバースでのアバターとして実現しつつあるといえるのでは。でもどれもこれも最初の線形代数の成否にかかっているかと思うと、もう少し厳密に吟味しなくてはと思う。

2023/11/20

Pustota

細胞の「膜」と「核」の構造をフラクタルのように拡張して、社会の分断や制度の硬直化を論じるのが面白かったし、その背後の見えなくなっている「網」としての世界を取り戻すためのシステムというアイディアも面白かった。計算式は力不足で全く読み解けなかったし、実現性・実効性がどれほどあるのかはわからないけれど、それを別としても物事の見え方が変わる刺激的な本だった。技術はそれ自体は世の中を良くするものではなく、使う人間たちの努力が一番大切。

2023/02/09

Sayaka Nakano

人間の所有欲を細胞膜と核の構造まで落とし込んで考察し、多様性を保持したまま社会を継続させる仕組みや方法についてあれこれ提案していく感じの内容。めちゃ面白いけど語られる社会像に人の善意や悪意によって起こる行動の乱数、渋滞学的な管理不能さ、目的と違った技術利用をすぐに始める人々の独創性などが加味されてなさすぎて机上の空論ぶりがマルクスの本読んでるみたいだった。事件の起こらないSF世界のディストピア感。ただ、机上論だとしても論としては面白いしこういう発想が実際の私達の世界を耕して、少しずつ変えていくんだなと。

2023/05/20

シノウ

この年代にこの著作が出ることに大きな意味があったと感じる本。 インターネットによる網の世界を生物の基点である核・膜・網まで戻り、複雑な世界を複雑なまま生きることができないか提起した本。

2023/10/16

Yuka

難しいと聞いていたけどやっぱり難しい。 前半の数式の部分はサッパリだったから流し読み。でも、投票制度などの伝播していく仕組みの概観は掴めたような気もする。 自分の関心のない分野においては正直誰に投票したら良いかわからないことも多いし、政策によって意見が違うから一人に投票するのに毎回かなり悩む。自分の票を細分化して傾斜で配分できたり、誰かに委任できる仕組みは良いように思う。でもマイノリティ向けの施策って他と比較したら票の集まりが悪くって結局淘汰されてしまうのでは…?と思ったり。

2023/04/05

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