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百姓の江戸時代 (ちくま学芸文庫 タ 54-1)

百姓の江戸時代 (ちくま学芸文庫 タ 54-1)

百姓の江戸時代 (ちくま学芸文庫 タ 54-1)

作家
田中圭一
出版社
筑摩書房
発売日
2022-06-13
ISBN
9784480511263
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百姓の江戸時代 (ちくま学芸文庫 タ 54-1) / 感想・レビュー

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樋口佳之

田中説に従えば、江戸時代が始まるころには、すでに百姓は封建的な生産関係から脱却(=近代化)していた、となる。論争の双方当事者を向こうに回した(解説)/論争の双方とは「日本資本主義論争」の件。かつてイギリスの歴史に出現する独立自営農民層が日本の歴史には見えないなあって思ったものですが、この説によれば、旺盛な生活力を身につけた農民層の存在を近世史がむしろ見えなくさせていたということかな。1800年代後半、黒船来航の時点で足りて無いのは蒸気機関だけだなって考えているのだけど、その意を強くするお話でした。

2024/02/17

ATSU

先に書いた『近世農民生活史』のような考え方に対して,著者はこの本(もともとは2000年の本。2022年6月文庫化)のなかで,「江戸時代は厳しい封建社会だったのか?」と疑問を投げかけ,「法や制度・触書を基本において江戸時代を考えること自体にあやまりがある」(31ページ)とズバズバ述べています。田中氏の論述には,かなり極端なものがあるとしても,この間約50年の間に歴史の見方がかなり変わったことには違いないと思います。この違い,庄屋日誌など地域における古文書の研究がすすんだからではないか・・・と思います。

2022/07/17

HONEY

これは名著。 江戸時代は「百姓」たちが作っていった…今まで何となく信じてきた近世史は、誰が言い出したのかもわからない共同幻想のようなものだったと、目が覚めたような気分です。 佐渡を中心として、民衆の力が幕府を動かしていった実例をとことん挙げています。この力は確かに明治と地続きであると思わされるし、幕府のちょっと場当たり的対応だったり、「一応言ったからな」的な禁制を見ても、案外このゆるさのおかげで260年も続いたのかなと思ったり。 たくさんの人に読んでもらいたいです。

2023/03/15

Go Extreme

「日本近世史」のあやうさ: 制度はどこから生まれたか 暗記学になった「近世史」 歴史を語らない法と制度 歴史の主役は百姓 百姓を独立させた検地: 名主と名子の身分制 大開発時代の原動力 身分社会の終焉: 士・農・工・商は職分 法と制度のからくり: 支配者史観の落とし穴 編纂された法典 新しい社会の秩序: 時代の主催者としての百姓 百姓の元気: 百姓の成立と展開 無高百姓の出現 民意が公論となるとき: 百姓一揆の思想 村に学んだ幕閣: 国産自給論と交易論 輸出解禁 専売機関の挫折 村にできた工場   

2022/07/17

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