壊れた脳と生きる ――高次機能障害「名もなき苦しみ」の理解と支援 (ちくまプリマー新書)
壊れた脳と生きる ――高次機能障害「名もなき苦しみ」の理解と支援 (ちくまプリマー新書) / 感想・レビュー
アキ
41歳で脳梗塞による高次脳機能障害が後遺した著者と、東北大学医学部高次機能障害学教授との対談を通じて、自らの病への認識の修正に加え、未だ診断されていない病者がいると警鐘を鳴らしている。脳障害のうちほぼ8割は高次脳機能に関係している。日本では交通外傷による高次脳機能障害が認知された経緯があり、後遺症判定の発症半年を過ぎて、社会に復帰して初めて気づかれることがある多彩な症状のため、対処方法が一様でないことなど課題が山積みの状態である。当事者である著者によるこの障害の社会への認識を広げる取り組みは素晴らしい。
2021/07/07
Aya Murakami
図書館本 発達障害(しかも成人して10年以上たって診断?された)なので壊れた脳の生きづらさは何となくわかる…気がする…。理由はないのになぜか周りが普通にできることができなくて叱責を買うのですよね。高次脳機能障害はそんな発達障害に似た症状だと説明されています。作者さんが言うように日常生活はトラップだらけです。そして脳機能に低次やら高次やらあるのか…。脳の世界も複雑だ…。 コミュニケーション能力が高い人よりもコミュニケーション能力が低い人とのやり取りが簡単。この辺も分かるようなわからないような?
2022/04/02
kuchen
高次脳機能障害の当事者と専門医の対談。当事者の語る症状に専門医が傾聴しつつ、読者にも分かりやすい説明を行い、高次脳機能障害の理解を促す。社会的な認知度が低い障害だか、当事者や家族の辛さや苦しみはいかばかりだろう。この症状の認識が広がり、周囲の無理解が減り、当事者が生活しやすい社会になってほしい。
2024/03/16
NBかえる同盟
積読消化。大介氏の以前の単著は「ああ俺も」と大いに共感し面白く読んだのだが、本書は専門家との対談形式で、そのうえ支援職やそれを目指す学生をターゲットにした本のよう。大介氏の愚痴のような意見の数々を、きょう子先生は柔らかく受容するか新しい視点を示すか…で、面白おかしい内容にはならず、一時積読に。落ち着いてゆっくり読めば勇気づけられる言葉の多い良い本だ。本書中にある『すごく大変な状態はずっと続くことはないはず!』という言葉を胸に刻み、明日もまた生きるぞ。
2022/12/29
治野
医療従事者向けとは言いつつ、一般の人もわかる内容。誰もが当事者になりうるし、最後にさらっと書かれていた認知症も広義の高次脳機能障害という視点は目から鱗だった。
2021/07/02
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