大正後期の漫画―岡本一平・下川凹天
大正後期の漫画―岡本一平・下川凹天 / 感想・レビュー
印度 洋一郎
「漫画」と言っても、この本に収録されているのは社会や世相を諷刺する一コマ漫画のこと。関東大震災から昭和初期にかけての、当時の代表的な一コマ漫画の数々を収録している。岡本太郎の父である岡本一平と日本初のアニメ作家でもある下川凹天が、この時代の双璧だったらしい。特に、今はなかなか見る事の出来ない凹天の黒々とした描線で描かれた作品はモダンで見応えがある。大正末期の「エンゲルス・ガール(社会主義思想に傾倒した女子学生)」の画や、当時のニューメディア"映画"の画なんて、今でも通用しそうなスタイリッシュさ。
2012/04/14
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