女が読む太宰治 (ちくまプリマー新書 109)
女が読む太宰治 (ちくまプリマー新書 109) / 感想・レビュー
lonesome
女性から見た太宰治の魅力、作品から受け取るもの。なるほど確かに異性だからこそ感じる男のセクシーさやズルさ、または守ってやりたいという母性愛を太宰治に対して感じたりする作品の読み方もあるのだ。けれど、どっぷり太宰治に、もしくは太宰の描く作中の女性に自分を重ねて読むというより客観的に読んだ時に見えてくる太宰治の女性に対しての見方や感情を想像するととても興味深い。そして、太田治子さんの言葉には重みがあった。
2014/09/30
harass
2009年に太宰生誕100年記念(もうそんな時代というのに驚く)の12人の女性によるエッセイ集。彼の作品の魅力や反発などさまざま。それぞれの分量も多くなく軽く読める。なかなか面白い。太宰の実の娘、太田治子の文章などもある。太宰自身が小説の弟子でもあった大田静子、治子の母にしたアドバイスによると、『小説はね、男と女をいれかわりしても、思いをこめるのがいい。男の気持ちは、そのまま女の気持ちになる』「太宰に女の心がわかるのは、男としての自分のこころがよくわかっていたからだと思います。」
2017/03/14
ヒロミ
豪華執筆陣による女目線で読む太宰。実の娘・太田治子さんの文章はやっぱりドスがきいている。格と深みが違う感じです。サトエリの続・グッドバイはあなたなんて大それたことを…と。辛酸なめ子さんの文章がいちばん面白かった。爆笑した。ホスト風葉蔵モテテクニック。平安寿子さんの文章がちょっと気持ち悪い…。30分くらいで読める軽い読み物といった感じです。西加奈子さんも参加されてます。
2015/12/30
><
初版2009年。12名の女性たちが太宰治について語ります。それぞれの見方があって、そういうふうに見てるんだと勉強。今でも根強く、愛されつづける作家さんの一人なのだと改めて感じました。「若いうちに読みたい太宰治」齋藤孝さん(著)の方が読みやすかったです(汗)
2014/09/04
さらば火野正平・寺
2009年、太宰治生誕100年のとしに出た企画本。あの太宰ブームにはいろいろ本が出たが、これは代表的なものではなかろうか。『女が読む太宰治』というお題を出された執筆陣がどんな内容を書くか?。多少大喜利的な好奇心で読んだ。サトエリは凝っているし、香山リカは精神科医らしい。辛酸なめ子は相変わらずの芸風。単なる作品論みたいな人もいる。面白かったのは山崎ナオコーラ、西加奈子(太宰への愛がある)、平安寿子。太宰の娘・太田治子も登場。そしてシメの高田里恵子『草葉の陰でそっと泣け』が題名も内容も見事である。
2014/08/18
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