たったひとつの「真実」なんてない: メディアは何を伝えているのか? (ちくまプリマー新書 221)
たったひとつの「真実」なんてない: メディアは何を伝えているのか? (ちくまプリマー新書 221) / 感想・レビュー
よこしま
事実は限りない多面体である◆メディアリテラシーについて問題提起した内容です。著者はオウムについて映像化する際、信者をもっと悪として強調しろと言われ、従えず会社を追われた身。◆なにが真実か?例えに中国で反日デモがあったとして。ファインダー1つ。デモの部分だけを映せば国全体が反日に見えます。遠ざけて撮影すれば、街の極一部にすぎず。どう映すかなんです。◆メディア自体が人である以上、主観でして。拡張も隠蔽も。国会中継しないNHK、8月30日の全国デモを人数など明確に報道しないメディアには注意したほうが賢明です。
2015/09/01
タルシル📖ヨムノスキー
新聞、雑誌、テレビ、ラジオ。いわゆるメディアは、中立でも公平でも客観的でもない。情報は作られる。メディアは多数派に媚びる。なぜならその方が売れるから。新聞の世界では〝両論併記〟が原則だというが、コレも並べ方次第で受け取る側の印象はまったく変わる。最近時々耳にする〝メディアリテラシー〟について解説している本です。これを読むと、如何に情報が操作され、より刺激的に加工され、我々の目に届くかがわかります。過去の事例もいくつか書かれていて、その部分を読むと、自分もマスコミに踊らされていたことがよくわかります。
2019/05/03
ばりぼー
広島と長崎に原爆が落とされた8月6日、9日と並び、日本人にとって8月15日の終戦記念日は、決して忘れてはいけないメモリアル・デーだ。ならば、ドイツのメモリアル・デーはいつですか、と僕はベルリン自由大学の学生たちに質問した。「私たちのメモリアル・デーは1月27日、アウシュビッツ絶滅収容所が解放された日です。それと1月30日、ヒトラー内閣が誕生した日です。」もちろん、戦争の被害を語り継ぐことはとても重要だ。でも戦争は被害だけではない。加害と被害の二つの視差が交錯することで見えなかった領域が可視化される。
2021/10/16
たかやん
ゴーストライター騒動でお馴染みの佐村河内守氏を被写体にしたドキュメンタリー映画『FAKE』がたいへん面白かった(語弊があるかもしれませんが)ので、まずは森監督のちくまプリマー新書を。ネットどころかテレビもラジオもまだまだ歴史の浅いメディアだということにあまり意識してこなかった。何かをニュースにするってことは、何かをニュースにしないこと。「酒は飲んでも飲まれるな」とはよく言いますが、メディアもきっと同じ。わかりやすそうな顔をしているモノほど気をつけたい。
2017/12/08
calaf
メディア・リテラシー入門。メディアを信じてはいけない。所詮主観的な嘘の塊だから。ただし、不必要なものとして切り捨てることもならない。当然真実も含まれているし、そもそも人というのは知の欲求を持っているものだから。つまり、嘘が多分に含まれた主観的なものという認識を持ちながら、うまく活用していくことを考えるべきだ!
2015/01/29
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