弱虫でいいんだよ (ちくまプリマー新書 246)
弱虫でいいんだよ (ちくまプリマー新書 246) / 感想・レビュー
future4227
2017年中学入試の説明文の出題で1位、2位を争う本。動物の生態に焦点を当てながら、強い=良い、弱い=悪いという価値観に一石を投じる論説文。自然界は「弱肉強食」と表現されるが、そもそもダーウィンの主張は「適者生存」。ゴリラのような勝ち負けのない社会。ナマケモノのような自然循環型生活。人間も大いに動物を見習うべきだ。いくつか紹介されている宮沢賢治の作品も味わい深く感じられる。また、ブータン国王のGNPならぬGNH(国民総幸福)という考え方、素晴らしすぎ!ただこの本、引用が多すぎるのが残念なところ。
2017/10/14
タルシル📖ヨムノスキー
著者の本は2冊目。以前読んだ〝ゆっくりでいいんだよ〟はスローライフについて書かれていて、読んだ当時はとにかく仕事に追いまくられていたので、とても心に響いたことを今でもはっきり覚えています。この本は「弱い」「強い」とはどういうことか、「弱い」ことは悪いことなのかについて、著者の知見と様々な文献や物語の一文を引用しながら丁寧に説明してくれている本。特にアメリカ先住民の言い伝え「最後の木を切り倒す時、最後の川を汚す時、最後の魚を食べる時、人間はやっとわかるだろう。お金は食べられないということが」が強く心に残る。
2023/07/21
Ayakankoku
自然界、動物界が例に挙げられていて、いまいちピンと来なかった。具体例が好みではなく残念。
2019/05/23
アキちゃん
周りの環境と良好な関係をつくる 野生が我々に求めているのは、土地について学び、すべての鳥や動植物に黙って挨拶し、流れを知り、尾根を越え、家に帰って楽しい話をすること。地球人として自然の一部として生きている自分を見出すこと。人間として自分が自然と地続きであるを感じる。もって生まれた人間としての可能性を十分に開花させるには愛が必要。大切なものを大切にするには時間が必要。
2018/08/05
ちくわ
動物への考察を通し「弱さ」とは何かを考えていく。本来、人間とは「孤独」な存在である。まさに、20億光年の孤独。「他人」の気持ちはわからない(西洋的価値観では「わかる」となりがち、だからこその合意文化)。でも、「孤立」してはいけない。人は独りでは生きていけない。その「弱さ」を受け入れる。そして、他者とのコミュニケーションの中から、他者の「弱さ」をも受け入れ、生き延びていく。大小、早遅、様々だ。「生き抜くこと」こそが「強さ」。「他人を支配する」ことは「強さ」ではない。それは「傲慢」だ。「謙虚」に生きたい。
2016/12/03
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