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国家を考えてみよう (ちくまプリマー新書)

国家を考えてみよう (ちくまプリマー新書)

国家を考えてみよう (ちくまプリマー新書)

作家
橋本治
出版社
筑摩書房
発売日
2016-06-07
ISBN
9784480689610
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国家を考えてみよう (ちくまプリマー新書) / 感想・レビュー

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タルシル📖ヨムノスキー

「国家を考えてみよう」というタイトルなのに、第一章でいきなり「国家を考えるために重要なのは、まずは国家を考えないことだ」と禅問答のような話から始まるので驚く。この本で最初に触れているのはnation(国民)とstate(領土)の違い。これは読んでいて「なるほど」と、思わず口に出してしまいました。一読しただけで全てを理解するのは難しいですが、福沢諭吉がなぜ〝学問のすゝめ〟を書いたのかとか、第9条だけがクローズアップされがちな、憲法改正の本当の問題点などを知ることができてよかった。まずはちゃんと考える習慣を。

2024/06/27

Narr

Kindle読了。最重要要素は「近代以降の国家とは国民(の)国家を指すものの、(革命を経ていない日本のような)国家や民主主義の政治制度それ自体は変な方向に向かうことがあるから、国家=国民であることを意識して参政に義務感持ちつつ代表者監視しようぜ!」なんてところか。歴史上、君主国家・国家=領土的思考の時代が長く、国民国家となって日が浅いがために人々にとっては前者、つまり、国家は「誰か」のもの、という意識がひょっこり出てきがちとする指摘は頷かざるを得ない。だからこそ民主主義制度に困難が存在するのも面白い…。

2021/03/11

Sakie

『民主主義国家で、「政治って、どこかで関係ない誰かがやってるんでしょ?」というような声が平気で出て来たら、それはもう衆愚政治です』。国民の国家とは何か。国家主義は何が違うか。若者を念頭において、部活などわかりやすい例えで説く。この国をなんとかしなければならない焦燥感。批判するために論じるのではない。おおもとを理解して、自ずと非に気づき、曲げさせないためだ。末尾に自民党の憲法改正草案に触れる。憲法は権力者を縛って国民を守るものであって、権力者を守って国民を縛るのは憲法ではない。『国家は我々国民のものである』

2021/12/21

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

「怒涛」「圧巻」という言葉こそがふさわしい内容。「くに」という言葉の成り立ちや変遷から説き起こし、「政治」を考えることが面倒だけど重要であるかについて語っている。「国民の国家」の下であっても、「代表者」ではなく「指導者」が現れることがある、国家主義とは国家についての「不安」から生まれるといった、「いま」に対するアンチテーゼをたっぷりと含んでいる。「選びたい人がいない」に対して、「選びたいような人が生まれてくる世の中にする」「することがなくて暇だったら」そう考えることをおすすめするとしている点はお見事。

2016/07/13

takam

最初の漢字について考察は面白かった。ただし私の好意的な評価もそこまでで、かなり著者の思想への誘導があり、私には不快に感じられた。明治維新により国民という概念が日本にも輸入されたが、その時に苗字が与えられたばかりのその日暮らしの農民たちが国の意思決定に参加できるかというと難しいだろ。国の独立だけを取るという判断であれば、民主主義は徐々に導入するというのが明治のリーダーたちにはあったはずである。この点を無視した上で、衆愚政治の恐ろしさを説いている割に想像力が足りていないと思えた。

2020/08/29

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