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杉浦茂マンガ館 第1巻

杉浦茂マンガ館 第1巻

杉浦茂マンガ館 第1巻

作家
杉浦茂
出版社
筑摩書房
発売日
1993-08-01
ISBN
9784480701411
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杉浦茂マンガ館 第1巻 / 感想・レビュー

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夜間飛行

「コドモ海南記」…幼い兄弟が、親戚のおじさんが船長をしている船に乗って南洋に旅する話。戦時中だから「お國の爲」とか「勇士」といった言葉も散見するが、内容はいたって呑気である。汽船の構造、ジュゴンと鯨、波の仕組み、潮の干満、海流と漁業…など次々と披露されるうんちくは学校の授業みたいで退屈だが、航跡に夜光虫が青白く光る海を眺めながら、ぼーっと空想に耽ったりもできる。占領下のサイパンやヤップ島の生活も興味深い。島の子といっしょに珊瑚礁で遊び、どっさり獲れた海の幸をみんなで食べる。褌姿も楽しそうな昭和17年の夏。

2019/08/21

印度 洋一郎

収録作は戦前の昭和8年から、終戦直後の昭和24年までの、杉浦茂アーリーワークス。戦前は四コマなど滑稽な短編中心だが、戦時中からは中長編が出てくる。戦時中の「コドモ何南洋記」は、当時日本統治下のミクロネシア諸島を少年二人が訪ねる紀行漫画で、資料を元にしたと思しき精密な背景や船、飛行艇等が素晴らしい。今の価値観からすると違和感もある内容だが、そこも含めて歴史的価値がある。戦後の「キリン号探検」や「怪魔島探検」になるとグッとナンセンス風味が増し、特にキリン型万能マシンが陸海空を往く「キリン号」はシュール。

2018/10/30

brzbb

「コドモ南海記」は戦中に描かれた教育漫画だけどちゃんとギャグも入ってる。当時の南方幻想と日本統治のリアルが垣間見えて興味深い。戦前の最初期に描かれた作品に後年にも使われてるギャグがあったり。子象のマメゾウがかわいい。だんだんスーパー少年が主人公のシリーズが出てくる。発表された順に時系列に並べて、連載された雑誌の違いや同時代の漫画とも比較したりできたらすごく興味深いと思うけど、その知識がない。

2023/01/09

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