杉浦茂マンガ館 第5巻
杉浦茂マンガ館 第5巻 / 感想・レビュー
夜間飛行
どんな怪物が現れても《なまいきなやつだ》と言って動じない杉浦マンガの主人公は、悪夢に時々魘される私にとって頼もしい存在だ。「SFの助」では、主人公が腹から奇妙な虫を次々出して江戸の町に攻めてきた昆虫型宇宙人と戦う。「まんが隊」では、子供達を追ってくるバケモノ女が地下鉄の通風口の上を通ると、風が吹きあげ下半身が丸出しになる。杉浦は悪夢をヘンテコな笑いに変えていく。江戸の漫画家が四次元を旅しつつ怪物と戦う「ミフネ」などシュールな作品も多い。夢の欠片と覚めた意識との出会いは、悪夢を見る人にとって薬のようなもの。
2019/09/05
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