大岡昇平全集〈6〉小説5
大岡昇平全集〈6〉小説5 / 感想・レビュー
Masa
戦後16年、社会が変わって行くには充分な時間だが、人の流儀が変わるには短すぎる。裁判進行にも裁判官・検察官・弁護人の戦前の力関係が影を落とす。検察官は自白を重視し、重要な事実関係を見落とす。3人の裁判官の量刑も、3人三様の意見から分かれたものとなる。この小説は殺人事件の裁判を通して、いろんな時代背景の元、いろんな人間関係を保ち生活を営んでいる生活者はいろんな真実を持っている、ということを明かしているように思われる。
2018/02/11
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