柳田國男全集 1
柳田國男全集 1 / 感想・レビュー
てれまこし
農政官僚としての柳田は、国の視点から農業の徹底した合理化を唱えるバリバリの近代主義者である。ドイツ流社会政策学派の第一世代に属し、自由放任主義を批判、国家による市場介入を正当化するが、同時に国家主義からは距離を置く。まだ、英国風の自由主義の影響も濃厚なんである。農民を自然の一部としてではなく、自然を支配する文明の主体として捉えるがゆえに、強制よりも教育を重視、農民の自治能力の育成を強調する。他方で、合理的な社会観からは排斥されるものにも興味を持つのだが、民俗学も上記の点では農政学の近代主義を継承している。
2018/07/25
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