柳田国男全集〈2〉遠野物語
柳田国男全集〈2〉遠野物語 / 感想・レビュー
てれまこし
『時代ト農政』における柳田は、先輩方に反旗を翻している。若手官僚として学問の権威やら上司やら農政指導者層に対して憤っている。「先輩講話時代」「黙々拝聴時代」に苦言を呈している。農政学においては徹底した合理主義者として先輩の権威に挑戦した柳田は、同時に山男やら河童やら塚やら合理的でないものを大真面目に語り始める。そこに屈折をみるのは容易なんだが、近代=反近代には割り切れない二重三重の屈折である。中途半端な合理主義者である親に反抗するこれまた中途半端にロマン主義者の子の世代間闘争がある。何やらロシア小説っぽい
2018/08/13
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