柳田國男全集 22
柳田國男全集 22 / 感想・レビュー
てれまこし
編書、共著、パンフレット類を収録した巻だが、共著には重要な文章が入っていた。柳田の学問は好事家的な伝統を引き継ぐものだが、本人はそれを潔しとせずに政治に結びつけたがるところがある。面白ければいいじゃんとはいわずに、政治に役立つ学問ということにしたがる。ここが今日の民俗学では引き継がれなかった点なのだが、柳田自身はっきりと民俗学と政治の関係を明示し切れていない。『日本人』などはかなり突っ込んだことが書かれているが、下手をすると近代社会の矛盾を造られた伝統で糊塗するネオ伝統主義だと言われかねない面がなくもない
2018/11/24
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