柳田國男全集 第31巻 昭和18年~昭和24年
柳田國男全集 第31巻 昭和18年~昭和24年 / 感想・レビュー
てれまこし
柳田は戦前、戦後を通じて転向を要しなかった数少ない知識人の一人とされるが、必ずし一貫して戦争に批判的であったとは言えない。固有信仰にこだわったのは、御国のためと死をも厭わない日本人の精神性を見いだすためだし、帝国版図拡大を受けて封印していた他民族との比較にも言及し始める。彼なりに民俗学を時局に役立つものとして売り込んだ。一方、戦後の反省では、一部の軍国主義者に騙されたとは言わずに、恐らく自らを含む国民自身が自分を欺いた結果であるとするだけの自己批判は行っている。これが戦後の国語教育への批判へとつながる。
2018/02/22
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