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山口昌男著作集 5 周縁

山口昌男著作集 5 周縁

山口昌男著作集 5 周縁

作家
山口昌男
今福龍太
出版社
筑摩書房
発売日
2003-03-01
ISBN
9784480751751
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山口昌男著作集 5 周縁 / 感想・レビュー

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梟をめぐる読書

いわゆる「〈中心〉と〈周縁〉」理論の手引きとして読んだ。「〈中心〉と〈周縁〉」という人類にとっての思考モデルはそれこそ古代ギリシア人が異人を「バルバロイ(野蛮人)」と呼び表したような頃からあって、それは個人の身体レベルでも、排泄や生殖を司る器官を〈周縁〉に追い遣るような形で認められる。その場合、〈周縁〉は多く否定的な属性を負わされることになるが、しかし〈周縁〉が挑発的であればあるほど逆照射された〈中心〉もまた活性化し、総体としての文化を作り上げる。この理解で大きく外れていないことを願う。

2012/11/16

白義

山口昌男の理論的主著にあたる文化と両義性が収録されている。シュッツやリーチやミシュレなど文化学的な知見を総合したハイレベルな文化記号論が展開されていて、一連の著作の基礎論とも言える著作。基本抽象的だが周縁に分けいる人類学者のやり方の、現象学的考察も成されていて想像以上に広がりのある密度の濃い議論になっている。世界の異化、再創造は排除された周縁の象徴的宇宙から再び果たされる。つらつら読むだけで想像力が広がってくる。巻末の山口昌男著作一覧が便利。かなりな多作家で、著作集でもほんの一部なようだ

2012/07/14

更新停止中

無学無知能すぎて読むの一週間がかりになってしまった。面白かったけど「読めた」自信が全くない。自分なりの理解(おそらく結構豪快な誤読)や考えるところはいろいろあるが高卒の誤読をオープンスペースに晒すのもあとで見たら死にたくなりそうなのでここには書かない。ルイス・ハイドの「トリックスター」観及び「境界」の存在、という事を復習した上でこの「境界」と「トリックスター」/「周縁」と「異人」「徴あり」というあたりを脳内で照合しあいながら再読すべし+著者の他の本も読んで見ること。

2013/04/12

いたま

『文化と両義性』『文化における中心と周縁』『天皇制の神話=演劇論的構造』のみ読了。文化=秩序=中心とその外側の混沌の領域がいかに文化に組み込まれていくか、そのダイナミズムを、数々の神話などを引いて著述している。周縁と一口にいっても著者は、それを地理的、政治的、文化的なさまざまな切り口から語っている。「両義性」とあるのは、異端的であり穢れたものとして忌避される周縁性が実際は文化を構築する仕組みには不可欠であり同時に聖性を持つからである。内外の対立という普遍的な図式ではあるが広範かつ深みのある議論が展開される

2021/04/06

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