トーベ・ヤンソン・コレクション 6 太陽の街
トーベ・ヤンソン・コレクション 6 太陽の街 / 感想・レビュー
榊原 香織
ムーミン作者大人向け中編。 フロリダに作られた老人用の小さな町。 日々の出来事。 なぜかバウンティ号の模型がある。 ”バウンティ号の反乱”は欧米の人々にはメジャーなんでしょう。 コレクション8のうち6
2022/04/15
くみ
何度も「イデー(本質)」という単語が出てくる。自分の根幹は絶対守るというトーベの信念。それは登場人物にも反映している。彼女の描く人物はみんな近寄り難い。皮肉屋、自己憐憫な構ってちゃん。そして物語が進むに従って彼らの側面にもスポットが当たる。しかし「いい人」では決して纏めない。強烈なクセや個性は変わらずあるのだ。そして派手な出来事はないのに読んでると何かを突き破りたい衝動をかきたてられる。このお話はアメリカのとある街にある「高齢者シェアハウス」が舞台。読み進めると次第に彼らとムーミン谷の面々が重なってきた。
2019/02/07
こてお
カリフォルニアで余生を過ごす老人たちを描いた群像で、みんな年老いてなおなのか年老いたからこそか、自分の思い込みや信念やこだわりに翻弄されているというか。事件は断続的に起こるけど、何がどう事件なのか、説明しようとすると難しい。全員がそれぞれ多少とも揺さぶられる出来事が続くけど何がどうとは、読んでみてね、な感じ。ひとつひとつのエピソードをどう消化したらいいかわからないまま、それでも続きが気になって読んだ。消化にはまだかかるか、何年か後に読んだらいいのかも。
2020/08/28
美甘
p.156,l.9-l.10「こうやって燃えあがった焔をなだめる。愛の行為と同じで、熱狂を放置せずに、焔を鎮めるために港へと導くのだ。」
2017/05/22
アスタラビスタ
老いていくにつれてまた読み返したい本。
2010/04/18
感想・レビューをもっと見る