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トーベ・ヤンソン・コレクション 8 聴く女

トーベ・ヤンソン・コレクション 8 聴く女

トーベ・ヤンソン・コレクション 8 聴く女

作家
トーべ・ヤンソン
Tove Jansson
冨原眞弓
出版社
筑摩書房
発売日
1998-05-06
ISBN
9784480770189
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トーベ・ヤンソン・コレクション 8 聴く女 / 感想・レビュー

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榊原 香織

ムーミン作者の大人向き短編 これでコレクション8冊完読です。 これが脱ムーミン第一作。 少女が主人公の”砂を降ろす”が良い。 作者は子供嫌いなのかもしれないけど、自身が子供の心を持ってるからか、子供の話が秀逸です。 エドワード・ゴーリーに捧げられた話も収録

2022/04/26

くみ

短編集。特に「聴く女」はムーミン終了宣言後、最初の短編でイメージ更新を模索する色が濃い。「黒と白」は芥川龍之介「地獄変」のようだが、せめて人を殺さないのに救われる。しかし狂気は芸術家に特有なのだろうか。誰しも十分注意しないと囚われてしまうものではないかと思う。好きなのは「愛の物語」芸術家の彼がある作家の高価な彫刻を買いたいという。彼女の最終手段の提案が勢いあって鬱々を吹っ飛ばした感じで好き。諦めさせるには理詰めで諭すよりも、こちらの方が有効かも。「春について」はフィンランドの春を待つ気持ちが心地よかった。

2019/02/10

qoop

ムーミンシリーズ最終巻の刊行後に初めて出版されたこの本はそれまでの著者のイメージを変えるものであり、戸惑いをもって迎えられたそうだが、中にはムーミンの影を見ようとする評論もあったとか。認知症の女性の行動を外から綴った表題作、乾いた情景描写を瑞々しく写す〈砂を降ろす〉、子どもを異邦人としてとらえた〈子どもを招く〉、シュールめいた状況の〈眠る男〉… 確かにムーミンの影を見出したくなるものではあるが、今となってみると逆に、ムーミン後期に流れ込んでいたこうしたテイストがここで結実したのかと感じられるだろう。

2017/10/01

cafebleu

島暮らしの話がやっぱり好きだ。読むと落ち着く。絶対できないんだけれど、心がざわついたときは、薪を割りたい。

2011/09/17

miho

ムーミン以外のトーベ・ヤンソンは初めてではないけど、それでもやっぱり、サンテグジュベリの「夜間飛行」を読んだときのような、とまどいを感じてしまう(笑)記憶を失っていく老女が今までの人間関係を地図にしていく話、崇拝していた作家と接点を持ってしまった女の話、もう一人の自分との再会を焦がれる男の話・・・。一番印象に残ったのは「黒と白」、挿絵画家の男が一番怖い物語の挿絵とした書いたものは・・・。どれも深い雪の中にいるような、シンとした印象がある。ヤンソンのシニカルで冷静な目線がとても心地いい。

2013/04/10

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