パニッツァ全集 2
パニッツァ全集 2 / 感想・レビュー
みずあめ。
『コルセットのフリッツ』が好み。徹底して客観が排除された、一人称の語りで描かれる狂気。狂気は描かれているだけで、描かれ方自体に狂気が見えるわけではないけれども、興味深かった。キリスト教やワーグナーへのシニカルな視点やユダヤ人問題など、クリティカルなテーマを含みつつ、普通にブラックなオチのある小説群として読んでも非常に面白い。『あるスキャンダル事件』なんかは、あのオチでなければもう少し楽しめたかも?
2012/07/16
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