吉本隆明〈未収録〉講演集第8巻 物語と人称のドラマ: 作家論・作品論〈戦前編〉 (シリーズ・全集)
吉本隆明〈未収録〉講演集第8巻 物語と人称のドラマ: 作家論・作品論〈戦前編〉 (シリーズ・全集) / 感想・レビュー
amanon
何だかんだ言って、吉本の醍醐味が何より発揮するのは、文学を語っている時では?という気にさせられた。こちらの理解力ということもあるが、とにかく他の巻に比べると時代的な制約から自由というのが、何より大きい。個人的にとりわけ興味深く読めたのは「太宰と鴎外」か?一見、結びつくようであまり結びつか無いこの二人に意外な接点があったということに驚き。また吉本の二人への評価が面白かった。それと柳田國男を主題にした講演は、柄谷のそれと被るところが少なくなく、二人の問題意識の共通性、及び吉本の柄谷への影響を再認識した次第。
2019/05/31
金北山の麓に生まれ育って
【話体の吉本は本当に面白いと思う】書いた本は難しすぎ読み通して精一杯だが、対談講演は無理矢理解りやすく変換してるのか誤読なのかもしれぬが解った気になりジーンとくる頻度が上がる。良い文芸評論かどうかは読者が「自分も読んでみたい」と思わせられるかどうかだと思う、その意味で例えば太宰治の講演は間違いなく良くて今手元に全集三巻が有る、斎藤茂吉の赤光を再々度だが読み直したくもなる。内容そのものだけではなく、太宰/鴎外の項で「オイレンベルグ」についてよくもそこまでしつこく調べたと驚いたりとまぁとにかく面白かったです。
2024/08/08
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