ミシェル・フーコー思考集成 4 1971-1973
ミシェル・フーコー思考集成 4 1971-1973 / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
評者が生まれた頃のフーコーに関する邦訳論稿。男性受刑者は、面会に来た妻に胸をはだけてもらって自慰をする(p.73)とは、人間の本質を教えている描写であろう。金銭の欠乏もまた、悲しい監獄の実態である。フーコーは、「資本主義社会は収監型の社会である」(p.274)と指摘し、これは仕組みとして人々が否応なくシステムに組み込まれているわけで、ここから出たければ、社会主義とか他の体制にこれまた、組み込まれるしかない。仕組みの中では、当事者は主権を主張してもなかなか発揮できず、つぶされてしまうだろう。
2012/06/07
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