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ドン・キホーテの末裔

ドン・キホーテの末裔

ドン・キホーテの末裔

作家
清水義範
出版社
筑摩書房
発売日
2007-07-01
ISBN
9784480804068
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ドン・キホーテの末裔 / 感想・レビュー

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スノコ

妄想に取りつかれた男の小説、を描く語り手の小説。ドン・キホーテ論でありパロディ論でもある『ドン・キホーテ』のパロディ小説??何重もの入れ子構造で書かれ、かつその中にあるのがあの本家『ドン・キホーテ』なのだから、もはや芯はどこにあるのやら…。それこそドン・キホーテらしいのだけれども。本家の偉大さ、面白さ、何より『ドン・キホーテ』へのリスペクトがいい。外側へ外側へと向かうラストが何ともメタメタしくて面白かった。聖書から『男はつらいよ』まで、何かしらの影響を受けている=パロディと言われれば思わず納得…なのか?

2017/02/16

詠(よみ)

すごい、凄すぎます…!!清水作品2作目。「パロディ論を小説にすると」との帯文句から "?"。何度も立ち止まり、戻る…にもかかわらず 止まらないという なかなかない読み方になった。内容自体が教養になったと同時に 構造に脱帽。入れ子は 演劇で経験したり 他作品でも触れたことがあるが、レベルがちがう。ミステリ小説以上に ミステリだった気がする。文学作品だろうと 他の芸術作品だろうと 研究でさえ、先行物があってこそ。まさにパロディだと思い知らされた。なにより 小説とは何なのか を考えさせられる作品でした。

2016/11/09

なめこ

メタフィクションのメタフィクション。なんじゃそりゃ。清水さんはこういうの書いたら随一だと思う。文学も音楽も先行する作品のパロディである。何にも影響を受けていない作品は存在しないし、先達に影響を受けない人間も存在しない。深い。それにしても、ドストエフスキーの白痴がドン・キホーテの影響を受けて書かれたものだとは知らなかった。ラストが小気味良い。

2016/09/11

kinaba

テーマとなっているドン・キホーテ自体がすでにメタフィクションなところに更に屋根を何重にも重ねて、小説を書く小説を書く小説を書く小説。こういう捻った構成楽しんで書いているなあ、というのが伝わってくる。と同時に、ドン・キホーテやその贋作の時代背景を語る説明としても読みやすい。と同時にさらに、パスティーシュの名手が書いてこそのラストの宣言。幾つもの方向に楽しめた。

2010/12/24

wasabi

何故ここまで堂々巡りの展開にしなくてはならないのだろう、と読み進めていけば、その堂々巡りこそが著者の示さんとしているパロディ論なのであって、もうこれは実際に読まなくては説明などかなわないのだ。

2008/10/21

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